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代表 6年前

韓国、兵役免除まであと2勝。Jリーグで磨かれた牙、ファン・ウィジョが大会2度目のハット

text by キム・ドンヒョン photo by Getty Images

ファン・ウィジョ、大会2度目のハットトリック

 しかもこの打ち合いの末、韓国が勝利を収めたことには大きな意味がある。最後まで諦めず、相手の追撃を振り切り、掴み取った勝利の甘さは他のこととは比べ物にならない。

 この勝利の中心に立っていたのが、またもオーバエイジのファン・ウィジョだった。彼はこの試合の直前までの4試合で5ゴールを決め、大会得点王も視界に捉えている。バーレーン戦では今大会初のハットトリックを決め、韓国に勝利をプレゼントした。マレーシア戦でも闘志たっぷりの追撃弾を決めた。イランとの決勝トーナメント1回戦、大一番でも先制ゴールを決めた。大会前までは城南FC時代に共にしたキム・ハクボム監督との“コネ疑惑”で世間を騒がせたが、この活躍ぶりで見事に払拭した。

 そしてウズベキスタン戦でもガンバ大阪に所属するストライカーは実力や闘志を剥き出した。まるで神ががったような決定力で韓国を危機から救った。120分、フルタイムを消化した彼の成績は、なんとハットトリック。大会2度目の大活躍だった。しかもゴールシーンの全てが一級品だった。試合開始直後の5分、ソン・フンミンのスルーパスに反応し、ペナルティエリア内で豪快に振り抜いたシュートがゴールラインを割った。相手GKの反応をものともしないスピードと力が乗ったシュートだった。

 2つ目のゴールも鮮やかだった。ファン・インボムのパスをもらった地点はゴールまで25mほどの距離。やや遠いと思えるところでファン・ウィジョが放った無回転シュートがそのままゴールに突き刺さる。75分に決めたハットトリックを完成させるゴールは、相手のミスからのチャンスを冷静沈着に生かした。全てのゴールから彼が持つストライカーとしての素質がにじみ出ていた。

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