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新生チェルシー、的確な補強で充実の夏。高い完成度を誇り、絶対王者の牙城を崩すか【欧州主要クラブ補強診断】

2018/19シーズンは、夏の移籍市場が終了した。この夏も各チームで様々な移籍があったが、それぞれ主要クラブの動きはどうだったのだろうか。今回はチェルシーの補強を読み解く。

シリーズ:18/19欧州主要クラブ補強診断 text by 編集部 photo by Getty Images

サッリ新監督の下、見どころ満載のチェルシー

チェルシー
的確な補強でチーム力はより高くなった【写真:Getty Images】

 昨季は前年度王者としてプレミアリーグを戦ったチェルシー。前線、中盤、最終ラインと積極的な補強を行ったにもかかわらず、首位・シティと30ポイントもの勝ち点差をつけられ、5位でシーズンを終えると同時に、アントニオ・コンテ政権の終焉を迎えた。昨季の補強が成功したと言えるのはアルバロ・モラタとアントニオ・リュディガーくらいだろう。

 コンテ前監督のもとでは3バックを採用し、時には5バック気味にして守備を厚くしてスピードのあるエデン・アザールとウィリアンのカウンターに任せるというシンプルなサッカーを展開していた。そのためか、シーズンの総得点数が62点と、プレミアトップ6の中で最下位という結果となり、得点力不足を露呈した。

 マウリツィオ・サッリ新監督の今シーズンは、ポゼッションを高めるために4-3-3のシステムを採用。ナポリからイタリア代表MFジョルジーニョを獲得した。プレミアリーグ開幕から4試合連続出場をしていることからも指揮官の期待が伺うことができる。

 また、ベルギー代表の守護神ティボー・クルトワをレアル・マドリーに放出したため、後釜としてアスレティック・ビルバオから契約解除金の7200万ポンド(約103億円)を支払う形で、ケパ・アリサバラガが加入した。

 移籍の噂が絶えなかったエースであるアザールとウィリアンの残留もチームにとって大きな影響を与えるだろう。昨年加入したモラタは完全に本来の力を発揮しているとは言いがたく、アザールとウィリアンの両サイドの選手の得点も求められる。

 中盤にはロシアワールドカップも制し、世界最高の守備的MFと言っても過言ではないフランス代表MFエンゴロ・カンテがいる。昨シーズンも中盤で攻撃の芽を摘みチームにとって欠かせない存在であること示した。

 今シーズンは新加入のジョルジーニョが中盤のアンカーの役割を務めるため、カンテは一列前のポジションになる。当然求められる役割が昨シーズンとは異なってくるため、カンテの攻撃での貢献度にも今シーズンは注目したい。

 最終ラインは今シーズンから4バック制をとっているため、左サイドバックを務めるマルコス・アロンソの守備の負担が昨年より大きくなることは間違いないだろう。1年を通して攻守に貢献できるかがポイントになってくる。また、コンテ政権で冷遇されていたダビド・ルイスをレギュラーとして起用しているのも新生チェルシーの見どころでもある。

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