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“不思議”だったプレミア頂上決戦。チェルシーとリバプール、入れ替わったそれぞれの強み

現地時間29日に行われたプレミアリーグ第7節、チェルシー対リバプールの一戦は1-1の引き分けに終わっている。無敗同士の対決となった同試合では、お互いがお互いの長所を消そうと様々な工夫を加えてきた。それにより、なんとも珍しい光景が生まれたのである。(文:小澤祐作)

text by 小澤祐作 photo by Getty Images

まさに頂上決戦

プレミアリーグ
チェルシー対リバプールの一戦は、まさに頂上決戦にふさわしかった【写真:Getty Images】

 リーグ戦6試合で全勝のリバプールと5勝1分のチェルシー。ここまで負けなしの両者が披露した試合は、まさにプレミアリーグの頂上決戦にふさわしい内容であった。

 昨季のチャンピオンズリーグ(CL)で準優勝に輝いたリバプールは、今夏の的確な補強で、より完成度の高いチームへと変貌した。最大の補強ポイントだったGKにアリソンを迎えたことで守備の強度が増し、ファビーニョやナビ・ケイタといった実力者も確保することができた。十分な戦力を揃えたリバプールは、今季のリーグ戦6試合で14得点を挙げ、失点はわずか2だ。ユルゲン・クロップ体制4年目にして、チームは完成形をみせている。

 一方のチェルシーも今季は大きくチームが変化している。新監督にマウリツィオ・サッリを迎え、それまでの堅守速攻スタイルからポゼッションサッカーへシフトチェンジを果たすと、圧倒的な強さを発揮。リーグ戦6試合を終えた段階で平均支配率は65.7%、パス成功率は88.8%を記録している。どちらも、プレミアリーグではマンチェスター・シティに次いで2番目に良い数字となっているのだ。

 そんな両者が対戦した今回の一戦には世界から大きな注目が集まったはずだ。どちらかに初黒星が付くのか、あるいは勝ち点1を分け合うのか。緊迫した空気が流れる中、スタンフォード・ブリッジに試合開始のホイッスルが鳴り響いた。

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