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代表 6年前

韓国はウルグアイをも撃破。始まりはW杯ドイツ戦…かつてない期待と熱狂に包まれる隣国の今

text by キム・ドンヒョン photo by Getty Images

史上初の勝利。Jからの使者がゴールで爆発

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ファン・ウィジョ【写真:Getty Images】

 ウルグアイには時差ボケの影響があるはずだったものの、貫禄が漂っていた。前日練習が軽めの調整のみだった彼らはコンディションが100%でなくとも、堅守をベースとしたサッカーを披露。ソン・フンミンやファン・ヒチャンなどスピードのあるサイドアタッカーを中心に攻撃を展開する韓国はなかなか守備をこじ開けられない。その中でもファン・ウィジョは相手守備と駆け引きし、真ん中に切り込む場面をいくつも作り出した。枠内シュートこそなかったが、積極的な動きにウルグアイの守備も苦労していた。

 後半、試合が動いた。59分にベンタンクールが強烈なシュートを放つも、これはポストを直撃。だが、全体的なムードは韓国が握りつつあった。そして65分。ファン・ウィジョがペナルティエリア内を突破しようとすると、セバスチアン・コアテスにタックルを受けた。守備が何人もいる状況で果敢な突破を試み、PKを獲得したのだ。これで得たPKはソン・フンミンがまさかのキックミス。だが、GKフェルナンンド・ムスレラが弾いたボールに、左から走り込んだファン・ウィジョが詰めて韓国が先制した。ファン・ウィジョのボールへの執着、絶妙なポジショニングは圧巻だった。

 この7分後、アクシデントが起きた。左サイドからロングパスがルーカス・トレイラに送られた。元大宮のキム・ヨングォンがマークするも、スライディングタックルがまさかの空振り。トレイラがその機を逃さずペナルティエリア内に運び、パスを受けたマティアス・ベシーノが冷静に決めて試合を振り出しに戻した。

 1-1で終わるかと思われた79分、値千金の決勝ゴールが生まれた。ファン・ウィジョに代わり、ピッチに入ったソク・ヒョンジュンが高さを生かした。コーナーキックからのボールに鮮やかなヘディングシュート。これがゴール前にいたカバーニーに弾かれるも、手前にいた元ヴィッセル神戸のキャプテン、チョン・ウヨンが押し込んだ。セットプレーでの集中力を切らさなかった結果、ゴールが生まれた。これが決勝ゴールになり、韓国は36年越しに、ウルグアイとの8度目の対戦でようやく史上初めての勝利をもぎ取った。

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