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代表 5年前

韓国はウルグアイをも撃破。始まりはW杯ドイツ戦…かつてない期待と熱狂に包まれる隣国の今

text by キム・ドンヒョン photo by Getty Images

熱気を取り戻した韓国サッカー。勢いをどう維持するか

 この日のウルグアイは戦力こそベストだったものの、コンディションが万全ではなかった。だが韓国も欧州組が大半を占め、時差の影響がなかったとは言えない。そんな中で勝ち取った初勝利だからより意義深い。試合が終わった後、ウルグアイのオスカル・タバレス監督は「時差の影響もあり、体力的に苦しかった。次の日本戦に切り替えたい」と日本との試合に関してもコメントした。おそらく日本戦は12日の試合よりも良好なコンディションで戦えるはずだ。だが彼は「韓国の攻撃は猛烈だった。バランスも取れていた」と韓国を褒めることも忘れなかった。

 敵将に称賛されてしかるべき試合だった。攻撃面でミスもあったが、守備面はバランスが取れていた。選手1人ひとりがどうプレーすればいいのか、明確に理解できているような印象を受けた。いつの間にか選手たちに自信もついた。ファン・ウィジョは「自信がついている。だからこそ集中力を失わないようにより頑張れた」と語る。彼だけでなく韓国代表の全員が高ぶっている。だからこそ勝ち取れた勝利なのかもしれない。

 選手たちのプライドや熱き試合を支えるのは間違いなくファンだ。この日の試合は昨今の韓国サッカーの人気ぶりを証明する場でもあった。試合当日は超満員、6万4170人の観客が来場したのだ。ソウルワールドカップ競技場が満員になったのは2013年のブラジルとの親善試合以来5年ぶりのこと。歴代記録からしても合計8試合しかないのはともかく、ここ最近の韓国でのサッカーの立場を考えると、いや、ワールドカップ直前までほとんどの人から背を向けられていたのを考えると、ここ数ヶ月でとてつもなく進化している。

 それほどに韓国代表にかけられる期待度も高まりつつある。チリとの好ゲームの後、ウルグアイに勝ったことも、これからの人気を後押しするはずだ。もちろんこれからは今のムードをどう維持するかが課題。それでも、この内容、この結果が続くけば間違いなく、ホームゲームの満員はこれからも続くはずだ。今の韓国代表はそれを立証している。

(取材・文:キム・ドンヒョン【韓国】)

【了】

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