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香川真司 5年前

ドルトムントが強い、その理由とは? 戦術に先進性はなし。勝つために必要な機微の存在

text by 本田千尋 photo by Getty Images

「隙を作らない」“好々爺”の老将

 こうして90分間に渡って「隙を作らない」ドルトムント。72分にはGKロマン・ビュルキも好守を見せ、1-0でヴォルフスブルクに競り勝った。これで公式戦15試合を終えて無敗。クラブ新記録を打ち立てた。しかし試合後の会見で、ファブレ監督は「最も重要なことは、さらに発展すること」と語った。

 1試合1試合に集中する。とりわけ過密日程の中では、どうしても練習に割ける時間は少なくなってしまう。スイス人指揮官は「次の練習に集中することが最も重要だ」と、笑顔で語った。一見すると“好々爺”のファブレ監督。試合前の会見でも、どこかぼんやりした、のらりくらりした印象を与える。だが、スイス人指揮官は「隙を作らない」。

 そんな老将の素顔の一部を、香川真司が、次のように明かしていた。10月31日に行われたウニオン・ベルリン戦の試合後のことだ。

「非常に経験のある監督なので、チームの雰囲気だったり、隙を作らないというか。非常に厳しいところは厳しく、ミーティングの中から厳しくしてきますし、だから選手がこうやって活躍しています」

“好々爺”は、手綱の締め方を心得ている。

「試合後にもしっかりミーティングで、ダメなところだったり課題について必ず話はするので。そういうところの締め方が、非常に経験があるし、そういう若い選手を使って勝たせてきたっていう実績もあるので、そういうところは非常に大きいんじゃないかと思います」

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