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ネイマール1人=リヨン。強さも予算も勝てるわけがない!? 無双中のPSG、それでも…

text by 小川由紀子 photo by Getty Images,Yukiko Ogawa

2位リールとの直接対決も…両者の差は歴然

 ユベントスも開幕後8連勝し、9節目のジェノアに1-1で引き分けた以外は無敗と、同じく強烈な強さを発揮しているが、それでも2位のナポリとは6点差だ。PSGは完全に1頭レースに突っ走っている。

 奇しくも12連覇を達成した試合の相手リールは、現在リーグ・アンの2位につけているチームだった。つまりこの12節は1位VS2位の頂上対決…だったのだが、それを強調するのもむなしいほど、両者の差は歴然だった。

 前半戦は、普段は4-2-3-1を基本フォーメーションとするリールが、相手ボール時には4人×2列のブロックで堅守に励んで0−0と踏ん張った。しかし後半、キリアン・エムバペがネイマールのパスから強烈なボレーシュートを打ち込んでこじ開けると、今度は2人のワンツーからネイマールが決めてPSGが2点を奪取した。ロスタイムに相手のハンドで得たPKを決めてリールが1点を返し2-1で試合は終了したが、これが1位と2位の対決か? というほど、リールが受け身一辺倒で戦うしかなかったところに、力関係が表れていた。

 試合のあと、リールのCBジョゼ・フォンテは、「リールもものすごく力を上げてきている。それでもPSGはいまや世界でもっとも強いチームの一つだ。彼らはものすごく集中していて、まさにプロフェッショナルな集団だった。それになにがなんでもこの試合に勝ちたい! という意志にあふれていた」

 と、プレー面だけでなくメンタル的にも完全に凌駕されていたと明かした。常勝軍団にとっても、新記録達成はモチベーションとなっていたのだ。

 サウサンプトンで吉田麻也の相棒だったフォンテは、今夏リールに入団したばかりだが、このPSG戦でも、ゴール前でのエムバペのネイマールへの鋭い横パスを驚異的な反射神経でブロックするなど、彼の働きがなければあと2、3点は取られていたかもしれない、という活躍ぶりだった。

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