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アーセナルが魅せた“本物の強さ”。トッテナムを封殺、唯一の修正ポイントはどこに?

text by 小澤祐作 photo by Getty Images

エメリ采配的中。見事に試合をひっくり返す

ウナイ・エメリ
采配を見事に的中させたウナイ・エメリ監督【写真:Getty Images】

 迎えた後半、予想通りエメリ監督は動いてきた。アレックス・イウォビに代え、アレクサンドル・ラカゼット。ヘンリク・ムヒタリアンに代え、アーロン・ラムジーを投入し、ここからの巻き返しを狙ったのである。

 そして、その交代が早速功を奏す。56分、右サイドのエクトル・ベジェリンから1本の縦パスが前線に入る。懸命に走りなんとかボールに追いついたラムジーが並走していたオーバメヤンへパス。背番号14は横パスを一度も止めることなくダイレクトでシュートを放つ。これはゴール右隅に突き刺さり、同点に追いついた。GKウーゴ・ロリスは打ってくることを予想しなかったのだろう。一歩も動くことができず、向かってくるボールを見届けることしかできなかった。まさに意表を突いた芸術的なゴール。この1点により、再びアーセナルに追い風が吹くことになる。

 トッテナムは防戦一方となり、アーセナルの勢いを真正面から受けることしかできなかった。あともう1点アーセナルに入れば確実にアウェイチームは勝つことができないだろう。そう思った矢先、その瞬間が訪れた。

 74分、味方からのスローインを受けたフォイスがもたついている間にラムジーがボールを奪取。前線1枚残っていたラカゼットに素早くパスを入れると、同選手は一度ボールを止め、左足に持ち変えてシュートを放つ。これが対峙していたダイアーに当たり、コースが変化しゴールイン。エメリ監督が後半から送り出した2選手の活躍があり、アーセナルは再び勝ち越しに成功した。

 その3分後には、オーバメヤンのパスに抜け出したルーカス・トレイラが移籍後初ゴールを沈めるなど、トッテナムを突き放した。もはやアウェイチームに余力はなかったはずだ。

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