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高校総体はこうすべき! 無意味な35分ハーフ、3年生ばかりの出場機会に変化も。流経大柏・本田監督が語る育成改革論

text by 本田裕一郎 photo by Hiroyuki Sato

U-17大会への変更によるメリットは?

 出場チーム数は32。この数であれば、同じ大会期間でも休養日を入れながら試合ができて連戦を避けられますし、試合時間を45分ハーフにしても大丈夫でしょう。ただし、2018年7月のような連日40度近い酷暑が続く場合は、40分ハーフも想定しなければならないかもしれません。

 例えば開催地を北海道に固定し、永続的に45分ハーフで行うというのも1つのアイディアかなと私は考えます。

 予選は現在、各地域で行われている関東大会や東北大会などの地域大会を充てることにし、それぞれ割り当てられた出場枠を賭けて戦う方式にすればいい。そうすれば新たに予選を行う必要もないですし、カレンダーも効率化できます。

 2019年のカレンダーに組み込もうと思うなら、前述の8月の活動停止期間を視野に入れて、7月23日開幕、8月1日の決勝がベスト。試合5日、休養日4日という選手への負担が軽減できる日程になると思います。

 さらにU-17にカテゴリーを引き下げることによって、高校2年生年代の中だるみになりがちな選手たちの真剣勝負の場が生まれ、優秀な選手発掘の機会も増えます。

 流経柏もそうですが、監督である私が高3を中心としたトップチームを見て、若いコーチが高2、高1のチームを指導するといった形態を取るチームも多いですが、こうした若手指導者が経験を積む意味でもU-17化は有効ではないかと考えます。

 コーチが成長するためには、自分自身が多くのことに責任を持つ必要があります。大会の勝敗はもちろんのこと、チームマネージメントや、選手たちのモチベーションの上げ方、コンディション管理、選手起用や交代、戦術の決定といった全てを一手に引き受けることで、指導者として磨かれていく。高校総体がそういう場になれば、もっと若くて情熱のあるいい指導者が増えるはず。私はそこにも期待します。

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