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宇佐美貴史が“守備要員”に? なぜ悪循環に陥ったのか。そして、攻撃力を示すためには…

text by 本田千尋 photo by Getty Images

さあ点を取りにいくぞ、という状況での交代

 そのシャルケ戦でデュッセルドルフは、前半の30分に先制を許すと、後半が始まってから48分、53分と立て続けに2失点。左サイドで先発した宇佐美は56分にドディ・ルケバキオと交代になった。同時にマルヴィン・ドゥクシュに代わってコフナツキが投入されている。

 負けたら即終了のカップ戦。これから「押し返していかないといけない時に」、つまり勝ちにいかないといけない時に、2人のアタッカーが投入され、宇佐美は交代となった。

 また、宇佐美が言及する「昨年12月のブレーメン戦」で、デュッセルドルフは前半の20分に失点。43分にルケバキオのゴールで追いついて、「後半」の開始から、宇佐美はロウベン・ヘニングスに代わってベンチに下がっている。ここでも、さあ点を取りにいくぞ、という状況での交代である。

 もちろんフリートヘルム・フンケル監督の交代策について、宇佐美は「不満を言うつもりはないし、文句を言うつもりもない」と強調。チームのために戦う1人の選手として、指揮官の決定に不平はない。ただ、“悔しさ”が募る。

「点を取られたり、セットプレーから失点して、相手が間延びしてくる時間帯がだいたい60分以降から始まると思うんですけど、その前に代えられるっていうのは…うーん…個人的なプレーのフィーリングとかも悪くないですし、そこから、60分以降から見えてくる景色っていうのもありますし、そこで代えられてしまっているっていうのが現状で、フレッシュな選手が結果を出してしまうっていうのもありますけど、個人的な欲としてはもっと出ていたいっていうのもあるし、まずはチームのためにしっかり踏ん張るところを意識してやっている中で、何かどこかが崩れて、新しい選手を入れてっていう交代が僕個人としては一番悔しいです」

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