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リバプール、無得点ドローも悪くない? その理由と、フィルミーノが感じさせた可能性

text by 小澤祐作 photo by Getty Images

不安を跳ね除けたリバプール

 この日のリバプールはフィルジル・ファン・ダイク、デヤン・ロヴレン、ジョー・ゴメスを起用することができなかった。本職をCBとする選手はジョエル・マティプのみで、同選手と誰がCBのコンビを組むのかというのは、試合前少し話題になっていた。

 結果、ユルゲン・クロップ監督がチョイスしたのがファビーニョだった。そして同選手が本来務めるボランチにはジョーダン・ヘンダーソンを起用。なんとか不在選手の穴を埋めることはできたが、バイエルン相手にファビーニョをCBに起用することで、少し不安を覚えた人も多かったのではないだろうか。

 しかし、蓋を開けてみればどうだろうか。マティプ、ファビーニョのCBコンビはお互いの連係も良く敵エースであるロベルト・レバンドフスキを完璧に抑え込んだ。

 それ以外にも決定的な場面で身体を投げ出してはシュートをブロックし、セカンドボールもうまく回収するなど、素晴らしいパフォーマンスを披露していた。ミスも少なく、安定感は抜群であった。

 今季のリバプールにおいてファン・ダイクは絶対的な存在で、彼を欠くと一気に守備面の不安は募るが、今回の試合ではそうしたネガティブな空気を見事に払拭した。クロップ監督にとってファビーニョ、マティプのCBコンビがバイエルンを相手に無失点に抑えたという事実は間違いなくポジティブな要素である。

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