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リバプール、運命を変えた“31分”。足りなかったラストピース、マンU戦は必然のドロー

text by 小澤祐作 photo by Getty Images

中盤トリオの働きは別格

リバプール
中盤トリオの働きは大きかった。しかし…【写真:Getty Images】

 話をリバプールに移したい。この日の同チームはシュート数7本、枠内シュートは1本に抑えられるなど、持ち味の攻撃力を存分に発揮することはできなかった。

 ただ、守備面での安定感は光っていた。GKアリソンは43分に決定的なピンチを防ぎ、フィルジル・ファン・ダイク、ジョエル・マティプの2CBはフィジカルの強さを生かして相手攻撃陣をシャットアウトしていた。

 なかでも存在感を際立たせていたのはファビーニョ、ジョルジニオ・ワイナルドゥム、ジョーダン・ヘンダーソンの中盤トリオだ。彼らは随所で自らの持ち味を存分に発揮していたと言える。

 データにもしっかりとその結果が表れている。ファビーニョは全体トップとなる4回のタックルを成功させており、空中戦勝率もCBの選手を除けば全体で2番目となる67%を叩き出した。マンチェスター・Uのカウンターを防ぐには必要不可欠な存在だったと言えるだろう。

 ヘンダーソンは攻撃面でもうまく顔を出し厚みを加えていたが、切り替えの早さから守備のタスクもしっかり果たした。インターセプトの回数はポール・ポグバと並んで全体トップとなる3回を記録。相手のカウンターを未然に防ぐだけでなく、自分たちのカウンターへ繋げるための重要な存在となっていたのだ。

 ここまでの2人は守備面での貢献度が際立っていたが、ワイナルドゥムは攻撃面で存在感を放った。縦への推進力が持ち味の同選手はドリブル成功数で全体トップとなる4回を記録しており、シュート数も2本放つなどマンチェスター・Uの脅威となった。タックル数は1回とやや少なかったが、粘りのある守備は相手選手において厄介なものとなっていたはずだ。

 中盤3人の働きは大きく、高い位置でボールを奪うことはできていたリバプール。本来であればここから一気にフィニッシュまで繋げることができるのが同クラブの持ち味であるが、この日はパズルの“ラストピース”が足りなかった。

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