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リバプール、運命を変えた“31分”。足りなかったラストピース、マンU戦は必然のドロー

text by 小澤祐作 photo by Getty Images

足りなかったラストピース

ロベルト・フィルミーノ
31分、ロベルト・フィルミーノが負傷交代。これによりリバプールの運命は決まった【写真:Getty Images】

 そのラストピースとは、モハメド・サラーやサディオ・マネらを生かすことのできるプレーメーカー的存在。前半に本来はそうした役割を担っているフィルミーノを負傷で欠いたことにより、リバプールは攻撃面でのアイデアを失ってしまったのだ。

 途中出場を果たしたスターリッジやディボック・オリギ、ジェルダン・シャキリといったメンバーではそうした状況を変えることができず、攻撃は単調になり、マンチェスター・Uの脅威となることはできなかった。改めてフィルミーノの存在の大きさを感じさせられる形となった。結果論になってしまうが、31分の背番号9の交代でリバプールの運命は決まっていたようにも思える。スコアレスドローは必然の結果だったのかもしれない。

 フィルミーノの存在は現在のリバプールにおいて1番といっても過言ではないほど重要な存在だ。背番号9の周りを生かす上手さ、オフ・ザ・ボールの動きはワールドクラスのものがあり、同選手の代わりとなれるような存在は現在のリバプールには残念ながらいない。フィルミーノができることは、フィルミーノにしかできないのだ。

 リバプールは兼ねてからディフェンス陣の弱さが指摘され続けてきたが、今ではそうした部分は安定感を保ちつつある。次なる課題はフィルミーノを欠いた際のプランBの構築となるだろう。背番号9の離脱期間は明らかになっていないが、長期離脱となればリーグ戦はもちろん、CLのバイエルン・ミュンヘン戦などでも苦戦を強いられることになるはずだ。

 悲願のプレミアリーグ初制覇を狙うリバプールだが、今節の結果により、2位マンチェスター・シティとの勝ち点差はわずか1にまで縮まっている。まだリーグ戦は11試合残されているが、これ以上の勝ち点の取りこぼしはなんとしても避けたい。

 そのためにも、フィルミーノが長期離脱でないことを願うばかりだ。仮に重症だった場合、ユルゲン・クロップ監督はどういった対策を練るのだろうか。

(文:小澤祐作)

【了】

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