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リバプール、運命を変えた“31分”。足りなかったラストピース、マンU戦は必然のドロー

プレミアリーグ第27節、マンチェスター・ユナイテッド対リバプールの一戦が現地時間24日に行われ0-0のドローに終わっている。アウェイチームは守備面での安定感は光っていたが、この日は攻撃陣が不発。マンチェスター・Uの脅威となることはできなかった。やはりあの男を欠いてしまうと、リバプールにとっては難しい。(文:小澤祐作)

text by 小澤祐作 photo by Getty Images

前半だけで4人もの負傷者が発生

リバプール
リバプールはアウェイでマンチェスター・Uとスコアレスドロー【写真:Getty Images】

 注目を集めたマンチェスター・ユナイテッド対リバプールの一戦は、なんとも珍しいゲーム展開となった。このような事態が起こるとは、誰も予想していなかっただろう。

 試合開始からお互いに素早いプレスを仕掛け、相手に主導権を握らせない。攻守の入れ替えは激しく、両者ともこのダービーマッチにかける気持ちの強さが早くから表れていた。

 そうした「激しさ」はプレミアリーグの醍醐味。見ている側としては待ち望んでいた試合内容だが、選手には相当な負荷がかかっているのも紛れもない事実だ。

 21分にはアンデル・エレーラが負傷によりプレー続行が不可能になり、アンドレアス・ペレイラとの交代を余儀なくされた。その4分後には、ファン・マタも負傷。ジェシー・リンガードと交代する形となった。

 一方リバプールにも悪夢が襲う。31分、ロベルト・フィルミーノがパスを出した直後に足首をひねり、こちらもプレー続行は無理な状況となった。その後、ダニエレ・スターリッジと交代になってしまった。

 悪夢はまだ続く。25分にピッチに立ったばかりのリンガードが、GKアリソンと交錯した際に負傷。アレクシス・サンチェスと交代する事態になってしまった。これは、リンガードがピッチに立ってからわずか18分後のことである。

 前半だけで4人の負傷者が出たことにより、お互いにゲームプランの変更を余儀なくされる形となったのだ。こうした光景は、世界中を見渡しても珍しい。

 マンチェスター・Uの場合、マーカス・ラッシュフォードも時折足を気にする仕草を見せていた。しかし、交代カードはすべて使い切ってしまったため、オーレ・グンナー・スールシャール監督はあまり負担をかけさせまいと、ラッシュフォードを真ん中に固定し、ロメル・ルカクを右サイドに流した。ただ、ルカクをサイドに回したことにより、前線でのターゲットマンはいなくなってしまった。本調子ではないラッシュフォードも精彩を欠き、攻撃陣は不発に終わったのだ。

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