いわきFCの育成革命(前編)。同い年なのに6歳差? 子どもたちの「生物学的年齢」とは【いわきFCの果てなき夢】

2019年03月01日(Fri)10時00分配信

シリーズ:いわきFCの果てなき夢
text by 藤江直人 photo Editorial Staff
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東ドイツの知見からわかったこと

 ジュニア年代のトレーニングにおける第一人者で、東ドイツを含めた育成システムの研究家としても知られる小俣氏は、いわきFCのアカデミーに導入した生物学的年齢をこう説明する。

「子どもには成人するまでに、生まれて経た年数である暦年齢とは別に、骨の形成年齢に基づいた生物学年齢があります。東ドイツの知見からわかったのは、どうやら暦年齢と生物学年齢の差は最大でプラスマイナス3歳くらいある、ということ。たとえば10歳のカテゴリーの中に、生物学年齢が13歳の中学生と7歳の小学校低学年がいることになる。それなのに、同じ条件のもとでプレーしなければならない点が、子どものスポーツにおける大きな問題です」

 生物学的年齢が暦年齢を上回れば早熟、逆の場合には晩熟な子どもとなる。ならば、生物学的年齢はどのようにして特定されるのか。東ドイツが積み重ねてきた研究に倣えば、小俣氏は「まずは大人になったときの身長を予測する作業から始めます」とこう続ける。

「これを『成人身長予測』と呼びます。成人身長予測はレントゲンによって骨の形成度合いを確認するのが最も正確ですが、さまざまな問題もあって一般的ではありません。なので、ウチは間接的な方法で調べています。その予測値からいま現在の身長がどれくらいの割合のところまで来ているのかを見ることで、どの地点で大人になるのかが見えてきます。

 さらに身長の『年間発育量』も参考にします。そうして生物学年齢を大まかに特定して、それに基づいて育成プランを変えていく必要がある。そうしないと残念ながら晩熟の子どもが絶対に不利になるし、気がついたときには早熟の子どもたちばかりのチームになっているわけです」

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