昌子源に直撃。「なんでトゥールーズに来たんだよ!?」“野望のない”クラブで抱く覚悟とは

2019年03月01日(Fri)10時40分配信

text by 小川由紀子 photo Yukiko Ogawa
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ロシアW杯の悔しさが生んだ覚悟

昌子源
「勝利のメンタリティを注入していきたい」。昌子は新天地で強い覚悟を持っている【写真:小川由紀子】

 あまりにも勝つことに貪欲さがないチームに、イラつきを覚えることもあるというが、それももっともだろう。

「勝者のメンタリティは全然足りてないです。言葉ができたら、もうめっちゃ言ってると思いますよ。(キャプテンだった)鹿島のときも、試合中も『なんだ、そんなプレーだったら代われ!』『おまえみたいなやついらねえよ!』とかすごく言っていて、みんなもそんな僕にイラつくんですけど、そこで『やったるわ!』みたいになるんです。そういうのをどんどんここでも入れていきたいなと」

 10年前、CLとの両立も影響して3位から一気に17位に転落した2007/08シーズンの翌年、エースを任されたアンドレ・ピエール・ジニャックが24得点と、チームの年間総得点の半分以上を一人でマークする奮闘で、ふたたびトゥールーズは4位に浮上した。ジニャックもその活躍でフランス代表に呼ばれ、彼自身のキャリアもそこから大きく開花した。

 昌子の「新加入だから、というのとは関係なく、勝利のメンタリティを注入していきたい」という言葉は実に頼もしい。入団直後から新入りらしさのかけらもないプレーぶりも納得だ。

 ロシアワールドカップでのベルギー戦は、昌子のこれまでのサッカー人生で一番悔しい試合だったという。ピッチ上で唯一の国内組だった彼は、「自分が足を引っ張ったんじゃないか」と自分を責め、そこで思った。

「こうなったら僕もそこにいって、同じレベルまでがんばって上って、誰も僕の心配をせず、みんなが100%の力を出せれば、もっと上まで行けるんじゃないか」

「日本が世界に勝つにはセンターバック(のレベルアップ)」とロシア大会で痛感し、周囲の協力を得て実現した海外挑戦。昌子はここトゥールーズで、思う存分、奮闘することだろう。そして、ジニャック以来の救世主になるかもしれない。

(取材・文:小川由紀子【フランス】)

【了】

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