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アーセナルはなぜナポリに圧倒的な完勝を収めたのか? 徹底的に突いた弱点、際立ったのは…

text by 小澤祐作 photo by Getty Images

2ndレグはミリクの起用もあるか?

 攻守両面でナポリを上回ったアーセナルは、ことごとくナポリゴールを脅かした。アレックス・メレトの好セーブもあり2点止まりとなってしまったが、あと1、2点は決めていてもおかしくはなかった。

 ホームでの1stレグを2-0で制したアーセナル。ELベスト4進出へ、大きな一歩を踏み出したのは間違いない。

 ただ、これを180分間の試合と捉えるならば、まだアーセナルも油断はできないだろう。今季の同クラブは敵地での戦いを大の苦手としており、リーグ戦直近8試合のアウェイ戦で勝利を挙げたのはわずかに1回だ。

 ナポリは今回0-2で完敗を喫する形となったが、同クラブもホームでは無類の強さを誇っており、今季のリーグ戦では本拠地でわずか1回しか敗れていない。逆転でベスト4入りを果たす可能性は、十分あると考えてよさそうだ。

 ナポリが2ndレグで修正してくる点があるとすれば、2トップの組み合わせだろうか。やはり強制的にサイドからの攻めを行わなければならないときに、空中戦で勝負できないメルテンス、インシーニェの組み合わせでは、打開策も見つからないのではないか。

 そこで2ndレグではアルカディウシュ・ミリクを先発で起用してくる可能性も十分高い。今季チームのトップスコアラーであり空中戦でも勝負できるポーランド人FWが入ることで、より攻撃のプランは増えるはずだ。マウリツィオ・サッリ前監督時代に重用していた4-3-3を試しても面白いかもしれない。

 いずれにしても、ナポリは2ndレグへ向け必ず手を打ってくるはず。アウェイでの戦いが苦手なアーセナルは、次こそより高い集中力を持って挑むことが求められる。スタディオ・サンパオロの雰囲気に飲み込まれないことも重要だ。

 CL準々決勝2ndレグからも目が離せないが、EL準々決勝2ndレグも要注目である。

(文:小澤祐作)

【了】

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