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リバプールは「最強」そのものだった。ポルト粉砕の理由とは? 大勝呼び込んだ指揮官の決断

text by 小澤祐作 photo by Getty Images

フィルミーノ投入で流れは一変

ロベルト・フィルミーノ
後半からピッチに立ったフィルミーノ。これで流れは一気に変わった【写真:Getty Images】

 前半は守備に徹する時間帯が長く続いたリバプール。「ハーフタイムにそれを変える必要があった」と試合後の記者会見でユルゲン・クロップ監督はそう話していたそうだが、その言葉通り、ドイツ人指揮官は存在感を失っていたオリギに代え、ロベルト・フィルミーノをピッチに送り出した。

 そしてこの交代が、リバプールの運命を大きく変える。

 フィルミーノが入ったチームは、前線でボールがうまく収まるようになり、パスもスムーズに繋がるようになった。ブラジル人FWが前でタメを作っている間にマネやサラーといった選手も前へ押し上げることができ、前半より良い攻撃の形が作れていた。

 またフィルミーノの貢献度は攻撃面だけには収まらない。守備にも非常に尽力的な背番号9はこの日も最終ラインまで下がってディフェンスを行う姿が見られた。フィルミーノが守備に回ってくれることにより、ファビーニョら中盤トリオも前半より余裕を持ったディフェンスを発揮できるようになっており、ポルトの攻撃をうまく封じていた。

 そして65分、リバプールに追加点が生まれる。鮮やかなカウンターからの一撃だったのだが、自陣深くでボールを奪い、その起点となったのはやはりフィルミーノだった。

 相手からボールを奪ったフィルミーノがジョルジニオ・ワイナルドゥムにボールを渡すと、同選手は右サイドのトレント・アレクサンダー=アーノルドへパス。背番号66はドリブルで前進すると、反対サイドを駆け上がっていたサラーへ絶妙なスルーパスを送る。エジプト代表FWがこれを冷静に沈め、リードを広げた。

 その2分後、リバプールはコーナーキックからミリトンにゴールを決められ1点差に迫られるのだが、これで火が点いたのだろうか、ここからアウェイチームは一気にポルトを地獄へ突き落すことになる。

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