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マンUが勝てない最大の理由とは? マンCの質を引き立たせた弱さ。明白になった致命的な欠点

text by 内藤秀明 photo by Getty Images

強力なストライカー不在が命取りに

マンチェスター・ユナイテッド
ラッシュフォード(写真左)とルカク(写真右)【写真:Getty Images】

 またユナイテッドの2失点目に関しては、フレッジのパスミスが起点となり、スターリングがドリブルでカウンターを開始。しかし右ウイングバックとしてプレーしているアシュリー・ヤングの帰陣が遅く右サイドのスペースを消し切れない。

 同時にクリス・スモーリングはなんとなく下がるだけで完全にボールウォッチャーで、ダルミアンは裏に抜け出そうとするセルヒオ・アグエロのケアで精いっぱいの状態。結局、カウンターの匂いをいち早く察知して走り出した途中出場のレロイ・サネは左サイドで完全にフリーになり、余裕をもってシュートをニアに決めた。

 2点目の場面、スターリングか加速してフレッジを抜いた時点でユナイテッドは数的不利だったため、後ろの選手はいずれにしても止めることは難しかったかもしれない。ただし両失点共にスモーリングは間接的に失点に関与しており、対人戦以外の弱さを改めて露呈してしまった。

 ここまで守備面の問題を指摘してきたが、それ以上に問題なのは攻撃面だ。

 そもそもカウンタースタイルで勝つには強力なストライカーが絶対に必要だ。チェルシーを見ればわかりやすい。ロンドンの強豪チームが強い時期にはディディエ・ドログバや、ジエゴ・コスタなどがいた。彼らはなんでもないロングボールをマイボールにしてチームを押し上げつつ、決定機を決め切る力を持っていた。

 一方ユナイテッドはどうだろうか。先発のマーカス・ラッシュフォードや途中出場のロメル・ルカクはカウンター型のストライカーとして才能はあるのだろうが、得点能力の面では彼らと大きな差がある。

 ラッシュフォードは利き足の強いキックを持っているがそれだけでレパートリーが少ない。ルカクは両足や頭でも決められるレパートリーはあるがボールが足元に収まらず、狭いスペースだといい形でシュートに持ち込めない。

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