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ガリー・ネビル、特別に愛された真の主将。男が惚れる熱き魂【マンU伝説の「ファーガソンの雛鳥たち」(5)】

シリーズ:マンU伝説の「ファーガソンの雛鳥たち」 text by 編集部 photo by Getty Images

負傷で長期離脱も不屈の精神で

 ガリー・ネビルがユナイテッドファンから特別に愛される理由は、彼自身が誰よりもマンチェスター・ユナイテッドを愛しているからだった。

 ガリーはクラブ公式サイトのインタビューで「5歳か10歳の頃に初めてグラウンドに出れば、素晴らしいスタジアムで赤いシャツを着て走るチームの虜になってしまうもの。『一生夢中になってしまう』と思い込んでしまう」と語っている。

 その思いは常にピッチ上で体現されており、劣勢では大声で味方を鼓舞し、得点を決めれば全力で喜ぶ。クラブ愛が深いが故に罰金処分を下されることもあった。

 幼少期から憧れていたユニホームに袖を通すだけでなく、キャプテンとして数々のトロフィーを掲げてきたガリーだが、晩年は負傷に悩まされることとなる。

 06/07シーズンの2007年3月17日、プレミアリーグ第30節ボルトン戦で足首の靭帯を損傷。復帰までは13ヶ月を要した。32歳でこれほどの重傷を負ってしまえば選手生命も絶たれかねない。

 それでも、ガリーは2008年4月9日に行われたローマとのチャンピオンズリーグ準々決勝2ndレグで戦列復帰。80分にアンデルソンとの交代でピッチに立つと、その不屈の精神に対してスタンドのサポーターはスタンディングオベーションをもって迎え入れた。

 莫大な移籍金が飛び交い、世界各国から名手が集うプレミアリーグの中で、ライアン・ギグス、ポール・スコールズ、そしてガリー・ネビルの3人が1つのクラブに忠誠を誓い続けた。それがマンチェスター・ユナイテッドが最強だった理由だ。

【了】

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