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マンUの“神”、デ・ヘアが何かおかしい!? 違和感残るチェルシー戦失点、最強GKに何が…

text by 内藤秀明 photo by Getty Images

W杯の不調もユナイテッドファンは意に介さず

 彼の能力には疑いようがない。チームメイトも彼の能力を尊敬しているようで、今年の1月にはヴィクトル・リンデロフがまるで「神に聖なるお召し物をお渡しする」がごとく、跪きこうべを下げながら、キーパーグローブをデ・ヘアに手渡す動画が話題になった。そう彼はユナイテッドにとっての神であると言っても過言ではない。

 ファンからの信頼も厚かった。2018年ロシアワールドカップのグループリーグ、ポルトガル戦でクリスティアーノ・ロナウドのミドルシュートを後逸してしまった時もその信頼は揺るがなかった。

 むしろ「こんなミスをするGKをレアル・マドリーには相応しくないからユナイテッドにずっといるしかないな」などと移籍の噂を揶揄しながら1シーズンでも長い残留を祈った。

 あるいは「やっぱりスペイン代表のセルヒオ・ラモスとジェラール・ピケは頼もしすぎる。うちのフィル・ジョーンズやクリス・スモーリングがいないと集中力が保てないんだな」などと自虐的に笑い飛ばす者もいた。どれもこれもデ・ヘアへの愛情ゆえだ。

 それもそのはず。2013年にサー・アレックス・ファーガソンが引退して以降、ぱっとしないチームにおいて、唯一ワールドクラスのパフォーマンスを披露し続けてきたのがデ・ヘアなのだ。結果2014/15シーズン以降、PFAが選ぶ年間ベストイレブンに4年連続で選ばれている。

 今季は、際立った昨季と比較すると若干パフォーマンスは落ちていたものの、要所要所では同じ人間とは思えぬパフォーマンスを披露してきた。1月14日に行われたトッテナム戦では後半だけで11セーブを披露し、1-0での勝利に貢献している。

 しかしそんなユナイテッドの神が最近どこかおかしい。

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