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長谷部誠の確信「ロンドンで何か起こせる」。ELの夢は潰えず、光溢れたフランクフルトの夜

text by 本田千尋 photo by Getty Images

「ロンドンで何か起こせるんじゃないか」

 そして後半に入ると、チェルシーはどんどんギアを上げてくる。「中盤でのダイレクトプレー」。縦に早く繋いでくる。防戦一方のフランクフルト。60分、ダビド・ルイスの直接FKがクロスバーを直撃する。

 長谷部が振り返る。

「チャンスの数で言えば相手の方が多かったと思うし、本当に決定的なチャンスっていうのはそんなに与えてはないと思うんですけど、最後の危ないゾーンまで運ばれる回数っていうのは結構多かった。最後はね、うちのディフェンス陣が体を張ってやらせなかったっていうのは大きかったと思います」

 2失点、3失点してもおかしくない展開。それでもフランクフルトは持ちこたえた。「総力戦」。「最後」の局面で「ディフェンス陣が体を張ってやらせなかった」。1stレグを1-1のドローで終える。夢は潰えなかった。次週、ロンドンでの2ndレグに望みを繋いだ。

 長谷部は、次週はアウェイでの劣勢を覚悟しながら、大胆不敵でもあった。

「アウェイではより守備の時間がちょっと長くなると思いますけど、ただその中でも間違いなく1点は取らないといけないので、そういう戦い方を自分たちでね、しっかり自分たちの中でクリアにして。例えばアンテが戻ってくるから、引いた形から彼のカウンターを活かせると思うし。チェルシー相手に、分でいったらウチの方が悪いと思うんですけど、ただ、戦い方次第で非常に面白い試合になると思う」

 夢は夢のまま終わるのか。それとも物語は、決勝が行われるバクーを舞台とする最終章へと突入するのか。

「ロンドンで何か起こせるんじゃないか」
 
 長谷部は、アイントラハトを愛する誰もが抱く夢を、現実のものにしようとしているようだ。

(取材・文:本田千尋【ドイツ】)

【了】

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