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セリエA 5年前

ミランが繋いだ希望。踏み出したいのは名門復活への第一歩、CL出場へ向けての課題は?

セリエA第36節、フィオレンティーナ対ミランの一戦が現地時間11日に行われ0-1でアウェイチームが勝利している。難しい敵地でのゲームで大きな勝ち点3を奪ったミラン。欧州最高峰の舞台への切符を掴み取るための希望がつながった形となったが、未だ拭えない課題はある。名門復活への第一歩を踏み出すためにも、残り2節でそうしたことを払拭したい。(文:小澤祐作)

text by 小澤祐作 photo by Getty Images

ミランが抱えた大きなプレッシャー

ミラン
ミランは現地時間11日、敵地でフィオレンティーナと対戦(写真はスーペル・コッパ、対ユベントス戦時にもの)【写真:Getty Images】

 フィオレンティーナとの対戦を控えていたミランに飛び込んできたニュースは、決して良いものではなかった。この試合の前、同クラブと同じくチャンピオンズリーグ(CL)出場権を狙うアタランタがジェノアに、そしてラツィオがカリアリにそれぞれ勝利を収めていたからだ。

 もちろん、彼らの結果に関係なく、ミランは勝ち点3を狙いに行ったことだろう。ただ、「アタランタとラツィオがしっかり勝利を収めてきた」という事実が、ミランに与えるプレッシャーをさらに大きくしたことは間違いない。

 実際、ミランの試合の入りは非常に固かった。守備時には4-5-1で対応してくるフィオレンティーナに対し、効果的な縦パスを入れることができない。最終ラインから前線へ一気にロングボールを送っても、すぐにゴールラインを割ってしまうという繰り返しだった。

 一方フィオレンティーナの左サイドを中心とした攻めに手を焼いたミラン守備陣。1トップのルイス・ムリエルと左ウィングのフェデリコ・キエーザは試合の中で何度かポジションを入れ替えるため、アウェイチームの守備陣はマークの確認が少し曖昧になっていた。4分には左サイドからムリエルにドリブルを仕掛けられ、シュートまで持っていかれるなど、第24節以降白星がないフィオレンティーナに苦戦を強いられた。

 それでもミランは15分が経過したあたりからリズムを掴み始める。全体の距離感をコンパクトに保ち、セカンドボールもうまく回収。攻撃時にはやや空きがちとなっていた1ボランチのエジミウソン・フェルナンデスの脇のスペースを突き、果敢にゴールへ迫った。20分にはスソ、23分にはハカン・チャルハノールが絶妙なシュートを放っている。いずれもGKアルバン・ラフォンのセーブに阻まれたが、押し込まれていた立ち上がりが嘘のように、流れは完全にミランへと傾いた。

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