フットボールチャンネル

中村敬斗、ガンバでの成長を世界に示す「いつもやっていることを出すだけ」【U-20W杯】

text by 編集部 photo by Getty Images

中村敬斗
中村敬斗はU-20W杯で輝きを放てるか【写真:Getty Images】

 U-20日本代表は28日、FIFA U-20ワールドカップ2019のグループリーグ最終戦・イタリア戦に向けて前日練習を行った。

 前節メキシコ戦に途中出場したFW中村敬斗は、ギラついていた。本人は「そんなに決めてやるぞ感は別にないですけど…」と否定するが、右サイドに入るとボールを受ければ自ら積極的に仕掛け、シュートまで持ち込む。3点リードという状況もあって周りの選手たちも「いってこい!」と、貪欲に結果を追い求める18歳を後押しした。

「メキシコ戦で出たようなパフォーマンスを発揮できれば、いいプレーができると思うし、あまり気負いすぎずにやることはいつも心がけている。ガンバでやってきていることを出すだけです」

 今季はガンバ大阪で十分な出場機会を得られているわけではない。それでも限られたチャンスの中で自らの武器は見せてきた。左右両足から放つ強烈なシュートや、力強いドリブルでの突破力はU-20日本代表の他の選手にはない、中村ならではの魅力だ。

「ガンガンいくのとエゴというのはまた別だと思うので。ガンガンいって、例えばGKと1対1になって、そこに仲間がいるんだったら、(パスを)出したほうが確実に点が入るだろうし、そういう選択になってくる」

 以前であればがむしゃらに仕掛けて難しいプレーを選択していたかもしれない。だが、中村は高校卒業を待たずにガンバ大阪入りを決断し、プロの世界で揉まれたことで柔軟性も身につけつつある。メキシコ戦でのプレーも「相手もちょっと疲れていて、いけるなと思って。勝っているからあまり守りすぎても、受け身になるとちょっとやられる感じもある。自分が途中から入って攻撃の起点になれれば、もっと相手は嫌じゃないんじゃないか」という判断のもとに生まれた。

 2年前のU-17ワールドカップでは久保建英とともに攻撃の核を担った逸材は、再びめぐってきた世界に挑戦する場で望む結果を手にすることができるか。決勝トーナメント進出が濃厚になって迎える29日18時(日本時間30日1時)キックオフのイタリア戦は、千載一遇のチャンスだ。

(取材:本田千尋【ポーランド】、文・構成:編集部)

【了】

KANZENからのお知らせ

scroll top