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アルゼンチン監督、ブラジル戦へ「メッシは我々の旗手」アグエロ先発起用も宣言【コパ・アメリカ】

text by 編集部 photo by Wataru Funaki

リオネル・スカローニ
アルゼンチン代表のリオネル・スカローニ監督【写真:舩木渉】

 コパ・アメリカ2019(南米選手権)における事実上の決勝とも言える大一番が、現地2日に行われるブラジル対アルゼンチンは、両国のプライドをかけた一戦だ。

 決戦を翌日に控えた1日、アルゼンチン代表のリオネル・スカローニ監督は記者会見に臨み、「私は明日の先発はまだ決めていない。相手のことだけを考えるわけではないし、自分たちがやりたいことだけを考えるわけでもない。リオネル・メッシでさえもまだ決めていない」と述べた。

 そのうえで「多少の変更を加える。セルヒオ・アグエロが先発することになる」とエースストライカーのスタメン起用を明言している。ただ、メッシについても「彼は1試合に3点決めることだって珍しくない。我々の旗手だ」と揺るぎない信頼を置いており、ブラジル戦も先発出場は間違いないだろう。

 大会序盤は振るわなかったアルゼンチンだが、システムなどに変更を加えながら徐々にチーム状態を上げて勝ち進んできた。その中でスカローニ監督は「我々のやり方を見つけた」とも語る。2-0で勝利した準々決勝のベネズエラ戦で採用した4-3-3が「最高だと思う」とし、ブラジル戦でも同じシステムを継続する構えだ。

 もちろん「コパ・アメリカの優勝候補筆頭にぶつかっていく」ことは理解しており、「彼らは同じ監督の下で長くやってきて、それはブラジルにとって有利に働く」ことも承知している。一方で、スカローニ監督は「ブラジルは優勝候補で、ホームで戦うことができるが、彼らはファンとも戦わなければならないのではないか。それはプレッシャーにもなりうる」と分析している。

 会場となるミネイロン・スタジアムは、5年前のブラジルワールドカップの準決勝で、ブラジル代表がドイツ代表に1-7で完膚なきまでに叩きのめされた地。そういった過去の忌まわしき記憶も、ホームの選手たちに影響を及ぼすかもしれない。

 記者会見場を埋め尽くしたアルゼンチンメディアの多くも、「我々は決して優勝候補ではなく、ブラジルに対しても挑戦する立場」と控えめな姿勢だった。とはいえ「負けるわけにはいかない」とプライドも熱く燃やしている。スカローニ監督率いるアルゼンチンは開催国ブラジルを破り、決勝へと駒をすすめることができるだろうか。

(取材・文:舩木渉【ブラジル】)

【了】

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