トッテナムの“何”がCL決勝進出を実現させたのか? 補強ゼロからクラブ史に残る躍進の理由【18/19シーズン総括(1)】

2018/19シーズンは、これまでスペインが握っていた欧州の覇権がイングランドへと移る結果で幕を閉じた。タイトル獲得や昨季からの巻き返しなど様々な思惑を抱えていた各クラブだが、その戦いぶりはどのようなものだったのだろうか。今回はトッテナムを振り返る。(文:内藤秀明)

2019年07月11日(Thu)10時00分配信

シリーズ:18/19シーズン総括
text by 内藤秀明 photo Getty Images
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過去最高のシーズン

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トッテナムを率いるマウリシオ・ポチェッティーノ監督【写真:Getty Images】

 昨シーズンのスパーズは、プレミアリーグ開幕以降、最高のシーズンという意見もあるようだ。

 それもそのはず、リーグ戦は4位フィニッシュ。15/16シーズン以降、4シーズン連続となるチャンピオンズリーグ出場権獲得に成功した。しかもこの4位もギリギリ獲得したわけではない。シーズンの大半は3位につけていたが、終盤失速してしまい、ギリギリ3位を逃してしまった結果の4位だ。ラスト2節で3位の座をライバルチームのチェルシーに譲ったことはファンとしては悔しいだろうが、決して悪い結果ではない。

 なにより、チャンピオンズリーグ決勝初進出を成し遂げた。タイトル自体はリバプールに譲ったが、数年前までは出場自体が目標だったチームが、ここまで早く決勝まで辿り着いた事実には驚きしかない。

 しかもその偉業を、補強ゼロのシーズンに実現したという事実もまた賞賛に値する。

 そもそもトッテナムのダニエル・レヴィ会長は良くも悪くも倹約家で有名である。価格の釣り上がった選手を買うことはまずないし、選手たちの給与もプレミアのビッグ6の中では最低クラスだ。そのため選手の補強は難しく、主力放出のリスクと常に隣り合わせ。そのためこれまでも、贅沢な補強をさせてもらったことはほとんどない。あげくの果てに昨シーズンは夏、冬ともに補強ゼロである。

 そんな金銭面での自由度が低い中での、チームの急成長であり、チャンピオンズリーグ決勝進出だからこそ余計に価値が高い。アカデミー上がりの選手や海外から獲得した有望な若手たちを育て、勝てるチームに変貌させたポチェッティーノ監督の手腕には感服の一言である。

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