アーセナル、セバージョスが生み出す創造性。ラムジーの抜けたトップ下、違いを作った新たな司令塔の誕生

プレミアリーグ第2節、アーセナル対バーンリーが現地17日に行われ、アーセナルが2-1で勝利した。アレクサンドレ・ラカゼットと、昨季の得点王ピエール=エメリク・オーバメヤンが決めたゴールをアシストしたのはレアル・マドリーから期限付きで加入したダニ・セバージョス。アーロン・ラムジーが退団したアーセナルに新たな司令塔が現れた。(文:加藤健一)

2019年08月18日(Sun)10時14分配信

text by 加藤健一 photo Getty Images
Tags: , , , ,

バーンリーのシンプルな攻撃に苦しむアーセナル

0818ceballos_getty
バーンリー戦で2アシストをマークしたダニ・セバージョス【写真:Getty Images】

 開幕節ではニューカッスルを相手に勝利を飾ったアーセナル。その試合で先発を外れたダビド・ルイス、ダニ・セバージョス、アレクサンドル・ラカゼットがこの試合ではスターティングラインナップに名を連ねた。一方でグラニト・ジャカは負傷によりベンチを外れ、強盗事件に巻き込まれたメスト・エジルは風邪の影響もあってベンチ外、セアド・コラシナツはベンチスタートとなった。

 4-4-2でトラディショナルなイングリッシュフットボールを展開するバーンリーは、開幕戦でサウサンプトンに勝利。この試合でもシンプルなロングボールやセットプレーからチャンスをうかがう。アシュレー・バーンズとクリス・ウッドの2トップにボールが収まり、2トップに加えてCBのベン・ミーとジェームズ・タルコウスキも競り合いに加わるセットプレーは相手の脅威となっていた。

 一方のアーセナルはダビド・ルイスを中心に最終ラインから丁寧にビルドアップを試みた。不用意にボールを失う場面はさほど多くなかったものの、前半のアーセナルはなかなかフィニッシュまで持ち込むことができずにいた。

 スコアが動いたのは13分のCK。セバージョスが蹴ったCKをラカゼットがニアでキープ。DFを背負い、倒れ込みながら反転して打ったシュートは、GKをかすめてゴールが決まった。

 しかし、バーンリーも43分にカウンターの流れからマクリーンのシュート性のボールを放つ。これがバーンズに渡り、冷静にGKベルント・レノの動きの逆を取り、ゴールへ流し込んだ。前半のうちにバーンリーが同点に追いついて前半を終えた。

 特に前半、より多くのチャンスを作っていたのはバーンリーだ。試合全体のスタッツを見ても、アーセナルのシュート数16本に対して、バーンリーは18本と上回っている。さらに、バーンリーはそのうち半数の9本のシュートをセットプレーから放っている。

流れを変えたペペの投入

 アーセナルは後半開始と同時にリース・ネルソンを下げてニコラ・ペペを投入。ペペを右、オーバメヤンを左に配した。すると、この交代策がアーセナルの攻撃を活性化することになる。

 右サイドにいた前半のオーバメヤンは、スピードを生かした縦の突破を試みる場面はあったものの、ボックス内では効果的な働きはできずにいた。しかし、後半から左サイドにポジションを移すと、より中央でのプレーが可能となった。

 64分にセバージョスのインターセプトからオーバメヤンがボールを受けると、カットインから右足でシュートを放つ。ボールはニアサイドのゴールネットに突き刺さり、アーセナルは勝ち越しに成功した。

 右サイドのペペは、細かいタッチで相手を剥がす能力に秀でている。まだまわりとのコンビネーションはマッチしていないようだが、ラカゼット、オーバメヤンとの3トップは近いうちに機能するのではないか、という予感を随所に見せていた。

 71分にラカゼットが下がり、コラシナツを投入。3-4-1-2に陣形を変え、フィジカルに秀でる相手FWへの対策をしたアーセナルは、その後も危なげなく時計の針を進め、開幕戦に続いて勝利を収めた。

新たな司令塔の誕生

 昨季を振り返ると、第1節のマンチェスター・シティ戦、第2節のチェルシー戦に連敗している。ビッグ6相手の連敗だった昨季と単純に比較することはできないが、それでも2試合で勝ち点6を得ることができたという事実に変わりはない。

 3季連続でチャンピオンズリーグを逃したチームは今夏、限られた予算での補強を強いられた。その中でアーセナルが獲得したのがセバージョス。セビージャやベティスで育った23歳のMFは、レアル・マドリーの巨大戦力の前に立ち位置を築くことはできず、期限付き移籍でアーセナルへとやってきた。

 データサイト『Whoscored』のスタッツを見ると、70本のパスと4本のキーパスは両チーム最多。相手に囲まれてもボールを失わずに収め、ピッチ全体に長短を問わずボールを供給した。さらに、守備時には中盤の守備に加わり、2つのタックルを記録している。

 2アシストを記録したセバージョスは文字通り、アーセナルの司令塔となっていた。エミレーツ・スタジアムに訪れたアーセナルサポーターは、82分にベンチに退いたセバージョスに対して万雷の拍手を送っている。

 11シーズン在籍し、公式戦通算361試合62ゴール64アシストを記録したアーロン・ラムジーが昨季限りで退団。ラムジーが担ったトップ下には、ラムジーがつけた背番号8を継いだセバージョスに加え、昨季就任したウナイ・エメリ監督のフットボールにフィットしているとは言えないメスト・エジル、開幕戦でトップ下を務めた19歳のジョー・ウィロック、サイド起用も可能なヘンリク・ムヒタリアンがいる。

 エメリ監督は試合状況と相手に応じて、4-2-3-1と3-4-1-2を使い分ける。それに応じて変化するトップ下の役割に合った選手を起用していくことになるだろう。その中で、セバージョスはこの試合のパフォーマンスでライバルの一歩前に躍り出たと言っていいだろう。

(文:加藤健一)

【了】

新着記事

FChan TV

↑top