香川真司、らしさ溢れるスペイン初ゴール。地元紙も絶賛した「知性と才能の縮図」

スペイン2部サラゴサに所属する日本代表MF香川真司が、スペイン移籍後初ゴールを挙げた。最も得意とするトップ下で周囲の信頼を確固たるものにた背番号23は、ゴール前でもかつてのような鋭さを取り戻しつつある。(文:舩木渉)

2019年08月26日(Mon)18時32分配信

text by 舩木渉 photo Getty Images
Tags: , , , ,

監督もメディアも香川に称賛

香川真司
香川真司はサラゴサでの初ゴールを挙げた【写真:Getty Images】

 実に香川真司らしいゴールだった。現地25日に行われたスペイン2部の第2節、レアル・サラゴサ対ポンフェラディーナの一戦で、スペイン移籍後初ゴールを挙げた。

 その瞬間は59分にやってきた。サラゴサは相手フリーキックを跳ね返してカウンターを繰り出し、スピードに乗って右サイドを破る。左サイドでフリーになっていた香川は、右サイドからのジェームズ・イグベケメのクロスをペナルティエリア内で左足でコントロールすると、ワンタッチでシュートコースを作って右足を振り抜いた。

 一度目は相手DFにブロックされたが、こぼれ球に素早く反応して角度のないところから左足のコントロールショットをゴール右隅に流し込んだ。すでにチームの中心選手としてトップ下で絶大な存在感を発揮する背番号23は、自らの価値をしっかりと結果で示した。

 地元メディア『アラゴン・ディジタル』はサラゴサのビクトル・フェルナンデス監督の記者会見の様子を伝えていた。その中で指揮官は香川について「個人としては並外れているが、非常に謙虚でシンプルな青年で、言葉はあまりしゃべれないが、多大な努力をし、いつも笑顔で、チームの全員といい関係を築いている。彼はチーム内でとても重要だ」と、その重要性を強調していた。

 その証拠に香川はポンフェラディーナ戦でもトップ下を任され、さらに指揮官の期待にゴール、ポゼッションが難しい中でもボールが自然に集まってくるところからチームメイトからの信頼を感じ取ることができた。今回は試合の流れを作る貴重なゴールを決めたことで、監督からの信頼を確固たるものにしたはずだ。

 試合後のサラゴサの地元紙『エラルド』は「ゴールは彼の知性や才能の縮図だった」と香川を絶賛した。ゴール以外にも前半から惜しいシュートを放ち、直後にビッグチャンスを演出するスルーパスを放つなど、背番号23のプレーにはかつての躍動感が戻りつつある。

 ビクトル・フェルナンデス監督も「香川は3つか4つのプレーで違いを見せた。まだ多くの試合でプレーしているわけではないので(100%の状態になるには)時間が必要だ」と称賛と同時に、もっとプレーのクオリティが上がることに確信を持っているようだ。

かつての鋭さを取り戻せるか

 これまでドルトムントやマンチェスター・ユナイテッド、ベシクタシュとチャンピオンズリーグ常連レベルのクラブでプレーしてきた香川は、スペイン2部では別格の実績を誇る選手になる。もちろん細かなプレーの質もスペイン2部のレベルを超えたものだ。

 それはサラゴサ加入からまもなく周囲の信頼を勝ち取り、ボールが集まってくることからもよくわかる。『エラルド』紙も、「彼のようなランクの選手は、2部でスタイルと結果を決定づける」と地元にやってきたスター選手に称賛を惜しまない。

 香川は71分にアルバロ・ブランコ・サンチェスと交代でベンチに下がった。タッチラインをまたぐ際には、ホームのポンフェラディーナのファンから大ブーイングを浴びた。対戦相手にも厄介な存在として認められたのも間違いない。

 サラゴサは香川が交代した後の86分、パブロ・バルカルセにゴールを奪われて同点に追いつかれた。前半にVARの介入によって取り消された失点もあったが、昇格組のポンフェラディーナ相手に手痛いドローとなってしまった。

 2012/13シーズン以来、1部の舞台から遠ざかっているサラゴサにとって今季は大きなチャンスだ。昨季は15位と低迷したが、クラブの規模を考えれば上位争いをしなければならない存在で、そこに香川という2部のクオリティを上回った選手が加わったのである。

 瞬く間にサラゴサのアイドルとなった香川は、好スタートを切った。このままトップ下で継続的に起用されれば、かつてのような鋭さも取り戻せるはず。背番号23のさらなる躍動に期待したい。

(文:舩木渉)

【了】

新着記事

FChan TV

↑top