フットボールチャンネル

中島翔哉の戦う姿勢に高評価。ポルト監督との「意見の不一致は間違いなく解決」

text by 編集部 photo by Getty Images

中島翔哉
ポルトに所属する日本代表MF中島翔哉【写真:Getty Images】

「ごめんなさい。中島は守備に関わるために戻る」

 現地23日付のポルトガル紙『オ・ジョーゴ 』に、こんな見出しの記事が小さく載っていた。中身ではポルトに所属するMF中島翔哉の前日に行われたサンタ・クララ戦でのプレーについて言及されていた。

「ファンは守備的なプレーに大きなコミットメントを示した日本人を称賛した。監督からも拍手をもらった」

 前節ポルティモネンセ戦に途中出場した中島には、守備面の貢献度の低さと2失点目の場面で戻りが遅れたプレーによって批判が集まっていた。しかし、再びチャンスを得た22日のサンタ・クララ戦では攻守にアグレッシブに走り回ってスタジアムに集まったファンから度々拍手が巻き起こった。

 特に87分の場面では味方がボールを失うと、スプリントをかけて逆サイドまで相手を追いかけて最後はファウルで攻撃の芽を摘む好プレーも出た。これにはファンも大きな拍手で応えた。『オ・ジョーゴ』紙も「彼は素早い攻撃を防ぐためにロックオンした相手を追いかけた」と守備での積極的なアクションに言及している。

 ポルティモネンセ戦では緩慢なプレーが見咎められ、試合後にポルトのセルジオ・コンセイソン監督からピッチ上で一喝される場面もあった。しかし、「(監督との)意見の不一致は間違いなく解決されている」と1週間で状況は好転した。

 ポルトガル各紙の採点も及第点かそれ以上を中島に与えている。『オ・ジョーゴ 』紙は背番号10の日本代表MFに「6」をつけた。寸評でも69分にシュートチャンスを迎えたことのみならず、「別の態度を見せた」と守備面の向上が指摘された。そして「(相手が前進する)道を閉じるのを助けるために下がり、有用なファウルでイエローカードをもらった」と最終盤に警告を受けたプレーが決して無駄ではなかったことにも触れられていた。

 また『ア・ボラ』紙でも中島に「6」がつけられた。「ポルティスタの攻撃に火をつけた」と評価され、69分のシュートチャンスも「素早い切り替え」によってもたらされたものと分析。ポルトでの初ゴールとはならなかったが、スムーズな攻守の切り替えを実行し「セルジオ・コンセイソンから拍手を送られた」と十分に期待に応えるプレーだったことが述べられている。

 そして『レコード』紙は中島を「2」と評価した(同紙は「5」が満点で、交代選手は低い採点になる傾向がある)。それでも寸評は「ポルティモネンセ戦よりも集中しており、ピッチに入ってすぐ(相手GK)マルコ・ペレイラの注意力を試した」とポジティブなものだった。

 ポルトの次戦は24日に行われるタッサ・ダ・リーガ(リーグカップ)の3次ラウンド・グループDの初戦となる。相手は22日と同じサンタ・クララ。セルジオ・コンセイソン監督は先発メンバーの入れ替えを示唆しており、中島にとって高いパフォーマンスを継続して発揮できるかを試される場になりそうだ。

【了】

KANZENからのお知らせ

scroll top