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ポルト監督、完敗に落胆「チームの真ん中にクレーターが…」。集中力の欠如も指摘

text by 編集部 photo by Getty Images

セルジオ・コンセイソン
ポルトを率いるセルジオ・コンセイソン監督【写真:Getty Images】

 日本代表MF中島翔哉が所属するポルトは現地3日、ヨーロッパリーグ(EL)のグループリーグ第2節でフェイエノールトに0-2の完敗を喫した。

 公式戦3試合連続の先発出場となった中島だが、序盤に訪れた大きなチャンスを生かせず。不完全燃焼のまま53分にFWルイス・ディアスとの交代でピッチから退いた。

 ポルトのセルジオ・コンセイソン監督はチームの出来に不満げだ。試合後の記者会見の様子をポルトガル『maisfutebol』などが伝えている。

「全体的に見て、我々は負けにふさわしくなく、引き分けがよりフェアだったのではないか。だが、ゴールを決めた方が勝つ。我々はもっとうまくやれたし、やるべきだった。全てを次のフェイズに進めようではないか」

 指揮官は試合内容に不満を示している。フェイエノールトに先制点を許した後の振る舞いや、ゴールに向かう、あるいはゴールを守る上で足りなかった意識があると感じているようだ。

「我々はゴールを許し、急いで同点を目指した。こちらが多くのチャンスを作り出したのは事実だが、相手も危険な場面を生み出していた。ゲームは少し壊れていて、ボールを失った瞬間にバランスが崩れていた。最も心配だったのは、競争力や集中力が攻撃に大きく影響したことだ。相手は通常のレベルを上回っていて、我々はできることとすべきことのレベルで下回っていた」

 確かにポルトは序盤からフェイエノールトのハイプレスに苦しみ、ボールは支配していても思うようにチャンスを作れない時間が続いた。後半には大事な場面でシュートが度々クロスバーやゴールポストを叩き、選手たちは天を仰いだ。

 一方、フェイエノールトは相手の中途半端なプレーを見逃さずゴールにつなげた。49分のFWイェンス・トールンストラの先制点、さらに終盤80分に生まれたDFリック・カルスドルプの2点目に至っては人数が揃っていた中央をするするとドリブルで抜かれてしまった。

 コンセイソン監督は「パスに失敗したのなら対応する必要がある。我々の真ん中にクレーターが空いて、試合を終わらせる2点目が決まった」と、特にカルスドルプのゴールに言及して選手たちに気の引き締めを促した。

 原因には公式戦8連勝による慢心があったと、指揮官は考えているのかもしれない。ELのグループGは2節までを終えて全チームが勝ち点3で並び、ポルトは得失点差で最下位に転落してしまった。

「今回のようなヨーロッパのカップ戦では通常、チームはプレーのレベルを上げて、異なるレベルに達するものだと思う。しかし、8連勝していて、その考え方を維持できなかった」

 ポルトは週末に試合が組まれていないため、フェイエノールト戦が代表ウィーク前最後の公式戦だった。多くの選手が代表招集にともないチームを離れるため、2週間近く全員揃って改善を図れないのは痛いところだが、この敗戦を糧に本物の強さを身につけることができるだろうか。

【了】

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