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中島翔哉、7試合ぶり先発でハツラツ。ポルト監督「2週間前に家族が来て気分が変わった」

text by 編集部 photo by Getty Images

中島翔哉
ポルトに所属する日本代表MF中島翔哉【写真:Getty Images】

 ポルトガル1部リーグの第14節が現地16日に行われ、ポルトはトンデラに3-0の快勝を収めた。

 この勝利によりポルトはリーグ戦13試合負けなし、さらにホームゲーム全7試合で無失点を継続している。同クラブに所属する日本代表MF中島翔哉はリーグ戦では7試合ぶりに先発起用され、今季初のフル出場で大勝に貢献した。

 試合後の記者会見でポルトを率いるセルジオ・コンセイソン監督は、「私が中島に期待することは、他の全ての選手に期待することと同じだ。それは最大限の献身と、我々のやり方の中で働くことである」と先発起用の意図を説明した。

 中島は最も得意とする左サイドではなく、2トップの一角でトンデラ戦に先発出場。これまで以上にキレのあるプレーで、ポルトの先制点と3点目の場面で起点となるパスも見せた。また、守備面でも果敢なプレッシングで献身的な姿勢を示していた。

 先週12日に行われたヨーロッパリーグ(EL)のグループリーグ第6節、フェイエノールト戦では決勝トーナメント進出がかかった局面で守備的な交代カードを切ったこともあり、中島に出番は訪れなかった。それでも公式戦では3試合ぶりの先発起用で、最近は出場時間が徐々に伸びてきている。その理由をコンセイソン監督は次のように説明した。

「あなたには見えない多くの部分、特に家族との生活の面で、様々な状況を見なければならない。2週間前に中島の家族がポルトガルにやってきて、彼の気分が変わった」

 確かに12月2日に行われたリーグ第12節のパソス・デ・フェレイラ戦こそ84分からの途中出場だったが、続く5日のリーグカップ第2節カーサ・ピア戦では先発フル出場、同8日のリーグ第13節ベレネンセス戦は63分から出場し、ELの1試合を挟み、トンデラ戦のフル出場に至る。この2週間で出場時間はかなり伸びた。

 だが、コンセイソン監督は賛辞を送りつつも中島にさらなる向上を求める。

「中島は興味深いクオリティを持っている。だが、サッカーとは『ボール』についてだけのものではない。我々は巨大なチームであり、いついかなる時も偉大でなければならない。彼は見事な反応を見せてくれ、彼の作ったゲームを私は楽しんだよ」

 常に相手のいる試合を重ねる中で勝つためには変化が求められ、中島もチームの一員として必要とされている。年内のリーグ戦は全て消化したが、ポルトにはクリスマス前までに国内カップ戦が2試合残されている。中島はその2試合でどんなプレーを見せ、存在価値を証明するか。まずは移籍後初ゴールを決め、2019年をいい形で締めくくりたいところだ。

(取材・文:舩木渉【ポルトガル】)

【了】

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