バルセロナ退団は“韓国の至宝”が影響した。世界が注目するスペインの新星が語る移籍の真相【インタビュー第1回】

2014年に名門バルセロナから一人の若者ダニ・オルモがクロアチアのディナモ・ザグレブに移籍し、今冬にRBライプツィヒへステップアップしたスペインの至宝が自身のキャリアと東京五輪への思いを語った3/6発売の『フットボール批評issue27』から一部抜粋して全3回で公開する。今回は第1回。(インタビュー・文:長束恭行)

2020年03月07日(Sat)10時00分配信

text by 長束恭行 photo Yasuyuki Nagatsuka
Tags: , , , , , , , , , , , , , , , , ,

『あれは人生において最も困難な決断だった』

0307DaniOlmo_nagatsuka1
【写真:長束恭行】

――まずはスペインA代表の初選出、おめでとう。デビュー戦のマルタ戦(EURO予選、2019年11月16日)ではいきなり初ゴールを決めたよね。

「それは絶頂ともいえる気分だったね。どうすればスペイン代表まで辿り着けるかを考えていたし、あのような瞬間を迎えることを僕は何度も夢見てきた。途中出場してから3分以内に初ゴールを決められるなんて最高のデビューとしか思えないよ。そのお陰でこれから先のキャリアに向けて大きなモチベーションを得られたんだ」

【今シーズンのバルセロナはDAZNで!
いつでもどこでも簡単視聴。1ヶ月無料お試し実施中】


――で、そのキャリアについて聞きたい。君がサッカーを始めたのは何歳の時?

「サッカーの『トレーニング』を始めたのは2歳の時だよ」

――2歳でトレーニング!?

「うん。僕には2歳年上の兄がいるんだけど、彼は4歳になってトレーニングを始めた。当時2歳の僕は『まだ小さすぎるからトレーニングなんて無理』と言われたけど、兄と一緒にトレーニングをやりたかったんだ。それがキャリアの始まりさ」

――父親のミケルも有名なコーチだよね。

「そう」

――父親の影響も強かった?

「もちろん! 彼はセグンダ(スペイン2部)のクラブも指導していたよ」

――父親が監督を務めていた頃のサバデルは日本人がオーナー(坂本圭介氏)だったよね?

「あー、知ってる(笑)。それは本当だ。当時のことは覚えているよ」

――9歳の時にバルセロナの育成組織「ラ・マシア」に入団し、同世代のエリートだった君が16歳になってクロアチアのディナモ・ザグレブに移籍したよね。どうやって決断したの? みんなが尋ねる質問ではあるんだけど……。

「はははは、確かに(笑)。もちろん、あの移籍は1日や2日で下せるような決断ではなかったんだ。いつも僕が口にするのは『あれは人生において最も困難な決断だった』ということ。とはいえ、ここ(ディナモ)に来たことは誇りであるし、幸せも感じている。僕自身、僕の将来、そして僕のキャリアにとって最良の選択だったと思っているよ。ディナモは僕にスポーツ選手としての『前途』を与えてくれた。16歳でトップチームに参加できたことが僕の成長を促してくれたんだ。どのトレーニングでもプロフェッショナルなプレーヤーたちと研鑽を積むことができた。それが今の僕のプレーに繋がっているんだよ」

――君がいた当時のラ・マシアには韓国人アタッカーのイ・スンウ(現シント・トロイデン所属)が同世代にいて、クラブがマーケティング的に彼を推していたことも君のバルセロナ退団に影響したと聞いているんだけど。

「ああ。(父親や代理人を含めた)僕たちは退団が最良の選択だと考えた。最終的にそれが誤りでなかったことは証明されたと思う。移籍先がディナモだったから僕はやって来た。もちろん、スペイン代表で活躍したい思いもあった。すべてがここで成し遂げられたんだ」

(インタビュー・文:長束恭行)

▽ダニ・オルモ(Dani Olmo)

1998年生まれ、スペイン・カタルーニャ州バルセロナ県タラサ出身。U- 23スペイン代表。FCバルセロナのカンテラを経て、2014年に16 歳という若さでクロアチアの強豪ディナモ・ザグレブに移籍し2015年にトップチームデビュー。インサイドハーフとして主力に定着。クロアチアでの活躍が注目され、ビッグクラブの争奪戦となる。2020 年1月、ドイツの新興勢力RBライプツィヒに移籍。

FootballCritic28


『フットボール批評issue27』


定価:本体1500円+税

<書籍概要>
プレーモデルから経営哲学、はたまた人間形成まで、ありとあらゆる“洋物”のフットボールメソッドが溢れ返るここ日本に、独自のフットボール論が醸成されていないと言えば実はそうでもない。
例えば27年目を迎えるJリーグ自体、“完熟”の域には達していないまでも、“成熟”の二文字がチラつくレベルに昇華している。
“洋物”への過度な依存は、“和物”の金言をフォーカスする作業を怠っているからにすぎない。
フロント、プレーヤー、無論、サポーターにも一家言が備わりつつある時代になっていることを思えば、舶来のメソッドばかりを追いかけるのもそろそろどうかという気がしている。
経営、バンディエラ、キャリアメーク、データ、サポーターなどさまざなま分野に、それこそ秀でた国産のフットボール論は転がっている。
弊誌が見初めた“Jのインフルエンサー”による至言に、まずは耳を傾けてはいかがか。

詳細はこちらから

【了】

新着記事

↑top