ラツィオでセリエA得点王に輝いたほか、パルマやインテル、チェルシーなどでも活躍した元アルゼンチン代表FWのエルナン・クレスポ。ミランでも1シーズンのみだったがプレーし、欧州での好成績などに大きく貢献する結果を残した。

【今シーズンの欧州サッカーはDAZNで！
いつでもどこでも簡単視聴。1ヶ月無料お試し実施中】

　イタリアでゴールを量産したあと2003年にチェルシーに加入したクレスポだが、新天地での1年目は負傷もあって十分な活躍を見せられず。翌年には新加入のディディエ・ドログバに押し出される形でミランへレンタルされたが、パルマ時代の恩師でもあったカルロ・アンチェロッティ監督の下で輝きを取り戻した。

　特にチャンピオンズリーグ（CL）ではミランの上位進出に大きく貢献。マンチェスター・ユナイテッドと対戦した決勝トーナメント1回戦ではアウェイの1stレグ、ホームの2ndレグともに1-0の決勝点を挙げて勝利の立役者となった。

　ミランの突破をほぼ決定づけた2ndレグの決勝点は、当時世界最後の右サイドバックの一人と言われたカフーからの絶妙なクロスにヘディングで合わせた一撃。背後からのアングルの映像では、ボールの慣性も緻密に計算したかのような完璧な軌道へボールを送り込んでいることがよく分かる。

　ミランはそのまま決勝まで駒を進め、クレスポはリバプールとの決戦でも前半だけで2得点。ミランを欧州制覇に導くヒーローになるかと思われたが、後半に3点差から追いつかれてPK戦で敗れる「イスタンブールの悲劇」の犠牲者となってしまった。