マンC、バーンリー戦圧勝の要因は? 繰り出した偽SBに別格の強さ

プレミアリーグ第30節、マンチェスター・シティ対バーンリーが現地時間22日に行われ、5-0でホームチームが勝利している。被シュート数わずか1本と攻守両面で相手を圧倒したシティは、これでリーグ再開後2連勝。この日は長期離脱からレロイ・ザネも戻ってくるなど、状態は万全だ。(文:小澤祐作)

2020年06月23日(火)11時33分配信

text by 小澤祐作 photo Getty Images
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シティが作ったバーンリーの攻略法

マンチェスター・シティ
【写真:Getty Images】

 強い、とにかく強かった。

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 プレミアリーグ第30節が現地時間22日に開催され、ホームにバーンリーを迎えたマンチェスター・シティは5-0で圧勝。力の差を堂々と見せつけた。

 ミッドウィークに行われたアーセナル戦から先発メンバー8人を入れ替えたシティはこの日、前半から持ち味を発揮。序盤はコンパクトな4-4-2のブロックを前に攻撃の勢いを制止され、FWマテイ・ヴィドラとFWジェイ・ロドリゲスにアンカーのMFロドリを監視されるなど、バーンリーの守備にやや苦戦したものの、22分にMFフィル・フォーデンが見事なミドルシュートを突き刺してからは怒涛の攻めを展開した。

 バーンリーの堅い4-4-2のブロックを崩すのに効果的だったのは、斜めのパスであったと言えるだろう。とくに、左サイドからの攻めはそれが良く目立った。

 DFオレクサンドル・ジンチェンコとフォーデンはサイドに目一杯開いて相手を引き付け、そこへボールが入るとインサイドハーフのMFダビド・シルバがタイミングよくランニング。相手の中盤と最終ラインの間をうまく突くことでパスを引き出し、一気にチャンスへ結びつけた。

 16分にはそうした形からFWベルナルド・シルバにビッグチャンス。さらには26分にもD・シルバがパスを引き取りバイタルエリアに侵入するシーンが。バーンリーはここをうまく抑えられなかったのが致命的であった。

 さらにシティは“お得意”の形も見せた。それが、ジンチェンコとDFジョアン・カンセロのサイドバックを内側でプレーさせること。いわゆる偽サイドバックである。

 シティはサイドバックの選手が内側に絞ることで、中盤で数的優位な状況を作り出した。そこで相手の意識をジンチェンコやカンセロへ引き付け、必然的にアンカーのロドリを浮かせることにも成功。そこから縦や斜めへ正確なパスが入り、攻撃を加速させた。

 幅を取るのか、内側に絞り数的優位な状況を作り出すのか。ジンチェンコとカンセロの両サイドバックには場面に応じての柔軟なプレーが求められていたが、この二人はおおむねタスクを果たしたと言えるだろう。彼らの活躍は、バーンリーを攻略する意味でも不可欠なものとなっていた。

後半も怒涛の攻撃

 フォーデンの先制ゴール後、バーンリーを攻め続けたシティは43分、48分と立て続けにFWリヤド・マフレズが得点。リードを3点に広げて前半を折り返した。

 こうなると、後半もゲームは一方的な展開となる。3点のリードがあるシティは、当然ながらまったく焦る必要がない。ゆっくりと、かつ的確にボールを回し、バーンリーに攻撃の時間を与えなかった。

 対するショーン・ダイチ監督率いるチームは、思い切って前からプレスをかけるシーンもあった。しかし、シティに対してはそれすらも無力。ダイレクトパスを巧みに織り交ぜたホームチームにプレッシャーを剥がされ続け、ボールを奪うどころか自陣まで押し込まれた。そして、与えたコーナーキックをD・シルバに沈められ、リードを4点にまで広げられてしまったのである。

 前半同様、シティは幅を使った攻撃を基本としていた。中央を固めるバーンリーに対してインサイドハーフの選手らが果敢にハーフスペースを狙うことでマークの的を絞らせず、あっという間に敵陣深い位置まで侵入。もはやこの勢いは制御不能であった。

 そして、63分にはカウンターも炸裂。途中出場のMFケビン・デ・ブルイネからB・シルバ、FWガブリエウ・ジェズスと繋がり最後はフォーデンがゲット。デ・ブルイネがボールを持った瞬間、前線の3人がほぼ同じタイミングと同じペースで前へ走るなど、ゴールへの意識の高さが表れた場面であった。

 その後もバーンリーを一切寄せ付けなかったシティは5-0で試合を締めた。支配率は71%、シュート数は19本、パス816本、被シュート数1本というデータが出ているなど、まさに圧倒。バーンリーもシティ対策を用意はしていたが、それ以上に昨季のプレミアリーグ王者の力が絶大すぎたと言えるだろう。

ザネも復帰。仕上がり具合は抜群

レロイ・ザネ
【写真:Getty Images】

 これでシティはプレミアリーグ再開後2連勝。アーセナル戦と合計して8点を奪った攻撃陣はもちろん、無失点に抑えている守備陣の好調ぶりも目を見張る。

 そして、個人のパフォーマンスも特筆すべきものがある。この日2ゴールを奪ったマフレズはドリブルのキレが抜群で、フォーデンも2戦連発と調子が良い。D・シルバ、ロドリ、ジンチェンコ、DFフェルナンジーニョらもコンディションの良さがプレーから伝わってくる。

 デ・ブルイネやDFエメリック・ラポルトはこの日途中からの出場であったが、うまく試合に入ることができていた。さらに、FWラヒーム・スターリングやDFカイル・ウォーカーを休ませることができたのも大きい。

 そして何より、長期離脱からFWレロイ・ザネが戻ってきた。過密日程が続くこのタイミングでこの男が復帰したのは大きい。この日は約11分の出場時間であったが、ここから徐々にコンディションを取り戻していければ、間違いなく貴重な戦力となる。シティファンからしても非常に喜ばしいことだろう。

 FWセルヒオ・アグエロの負傷は心配なものの、リーグ再開後のシティはどのチームよりも充実しているように思う。何より選手個々のパフォーマンスレベルが高く、とても約3ヶ月間試合をやっていなかったとは思えぬ仕上がり具合だ。今後も白星を積み重ねていくのは間違いない。

 今季のリーグ優勝はさすがに厳しいものの、このままの調子を維持できればチャンピオンズリーグ(CL)制覇の可能性も十分と言えるだろう。まだCL再開は先の話だが、今から期待せざるを得ない。現在のシティは、それほど強い。

(文:小澤祐作)

【了】

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