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久保建英、ビジャレアルでの起用法は? ポジションはどうなる…知将エメリの頭の中を読む

text by 舩木渉 photo by Getty Images

EL3連覇。セビージャ時代のレジェス

久保建英
(赤字は新加入または獲得候補に挙げられている選手)

 これまで数々のクラブを率いてきたエメリ監督の経歴を見て、最も目立つのはセビージャ時代のEL3連覇だ。2013/14シーズンから3年連続で欧州カップ戦を制した当時、エメリの下でプレーしていた選手が今のビジャレアルには3人在籍している。

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 左サイドバックのアルベルト・モレーノ、セントラルMFのビセンテ・イボーラ、ストライカーのカルロス・バッカは、すでに新指揮官のやり方を熟知しており、チーム作りを進めるうえで大きな助けになるだろう。

 このセビージャ時代も含め、エメリ監督は指導者キャリアを通じて主に4-2-3-1を基本システムに採用してきた。ビルドアップ時から両サイドバックが高い位置を取ることが大きな特徴で、センターバック2人の間にセントラルMFが降りてビルドアップをサポートしながらボールを前に進めていく。

 もし久保をエメリ体制下のセビージャと似た戦術に組み込むとしたら、右ウィングが最適だろう。当時のチームではステベン・エンゾンジとエベル・バネガが中盤のコントロール役として機能し、特に前者が頻繁にディフェンスラインに降りることで円滑なビルドアップを可能にしていた。

 2列目では両ウィングがやや内側に絞り気味のポジションを取り、両サイドバックの攻め上がりを促す。さらに身長190cmのイボーラがトップ下の位置からゴール前に入り込んでフィニッシュに絡むことで、攻撃に迫力をもたらしていた。

 もし同様の戦い方を補強が成功した新シーズンのビジャレアルで実践するなら、コクランがエンゾンジ役、パレホがバネガ役を担い、トップ下にイボーラ、右ウィングに久保、左ウィングにモイ・ゴメス、1トップにジェラール・モレーノが適任だろう。左利きの久保を右サイドに配置すれば、内側に絞り気味のポジションも取りやすいはずだ。

 久保のスタートポジションはマジョルカ時代と同じで、より求められるタスクは整理され、周りからのサポートも受けやすくなるに違いない。セビージャで同じく左利きのホセ・アントニオ・レジェスが輝いていた右ウィングなら、ゴールやアシストといった目に見える数字に直結するプレーも増えることだろう。

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