いきなり先発。神童ウーデゴール、レアル初陣はどうだったか? ついに始まる“新たな”冒険

ラ・リーガ第1節、レアル・ソシエダ対レアル・マドリードが現地時間20日に行われ、0-0のスコアレスドローに終わっている。この試合では注目を集めたのが、「ノルウェーの神童」ことマルティン・ウーデゴールだ。スタメン抜擢されたこの男のパフォーマンスは、どうだったのか。(文:小澤祐作)

2020年09月21日(Mon)11時41分配信

text by 小澤祐作 photo Getty Images
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チャンスを作りながらドロー

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【写真:Getty Images】

 ライバルであるバルセロナを退けて昨季のラ・リーガ制覇を果たしたレアル・マドリードが、「連覇」に向けて新シーズンの扉を開けた。しかし、残念ながらスタートダッシュ成功とはならなかった。

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 2020/21シーズンのラ・リーガ第1節。王者マドリーは敵地でレアル・ソシエダと対戦し、0-0のスコアレスドローに終わっている。

 4-2-3-1のシステムでこの試合に挑んだマドリーだったが、エデン・アザールやマルコ・アセンシオらの欠場、プレシーズンマッチを1試合しか行えなかった影響もあるのか、なかなか立ち上がりからエンジンがかからなかった。

 ウイングに入ったヴィニシウス・ジュニオールやロドリゴ・ゴエスらは積極的に仕掛ける姿勢をみせている。実際、抜け出すシーンもファウルを誘発するシーンも多く見受けられた。しかし、フィニッシュの場面で精度を欠き、ゴールを割ることはできない。

 1トップのカリム・ベンゼマもコンディション自体は悪くなさそうで、オフザボールの動きも相変わらず秀逸だった。だが、シュートが決まらない。ギリギリの場面で身体を投げ出してくるソシエダDF陣の対応に手を焼いていた印象だ。

 ダブルボランチはルカ・モドリッチとトニ・クロースで組んだ。ご存じの通り、彼らはボールを持てる。モドリッチは空いたスペースへドリブルで侵入し、全体のラインを押し上げ、クロースは少し下がり目でサポート。バランスもしっかり取れていた。

 ただ、カゼミーロが不在だと、どうしても被カウンター時の対応における質は下がってしまう。とくに、クロースの脇を突かれてしまうシーンが、ソシエダ戦ではちらほら見られた。ティボー・クルトワのファインセーブもあって失点こそ許さなかったが、このあたりはやや不安だったと言えるだろう。

 データサイト『Who Scored』によるとマドリーはこの日、実に計16本ものシュートを放っている。対してソシエダに浴びたシュートは6本。いきなり得点力不足の不安を露呈してしまったと言える。

 ただ、優勝を果たした昨季もマドリーに「圧倒的な強さ」はなかったので、こうした結果にあまり大きな驚きはない。とくに昨季後半戦は、押し込まれながらも先制点を奪い、その1点を守り切って勝つゲームが多かったのが事実。失点数「25」という昨季リーグ戦の数字が、それを証明している。今季も、堅い試合というものが多くなるかもしれない。

 しかし、アタッカー陣の得点力不足はやはり悩みの種だ。先述した通りV・ジュニオールとロドリゴは突破力に長けるが、フィニッシュに関しては依然として改善の余地がある。フィニッシャーがベンゼマだけでは、どうしても物足りなさは残る。アザールやアセンシオの復帰と爆発が待たれるところだが…。

いきなり先発起用のウーデゴール。その出来は?

マルティン・ウーデゴール
【写真:Getty Images】

 スコアレスドローに終わったソシエダ戦では、ある男に注目が集まった。それが、マルティン・ウーデゴールだ。

 ストレームスゴトセトで頭角を現した同選手は、2015年1月、当時16歳という若さでマドリーの一員となった。しかし、クラブ側の考えは、練習はトップチーム、試合はジネディーヌ・ジダン率いるカスティージャというものだった。

 2017年にはオランダのヘーレンフェーンへのレンタル移籍を経験している。しかし、ここで大きな結果を残すには至らず。2シーズンを過ごした後、今度は同じオランダのフィテッセへ期限付き移籍することになる。

 フィテッセではリーグ戦31試合の出場で8得点11アシストという結果を収めた。そして、記憶に新しい昨季はソシエダで攻撃の中心的存在として活躍。当初、ソシエダへのレンタル期間は2年あったのだが、マドリー側が方針転換し、ウーデゴーアは2020/21シーズンより再び白い巨人のユニフォームに袖を通すことになった。

 そして、「神童」は古巣ソシエダとの開幕節でスタメンに抜擢。トップチームで出場するのは、実に2016年11月以来のこととなった。まさに、全若手選手に希望を与えるような、そんなストーリーを描いたと言えるだろう。

 4-2-3-1のトップ下に入ったウーデゴールに与えられたタスクは明確だった。ライン間である程度自由に動き、パスを引き出して攻撃を組み立てることだ。

 実際、ウーデゴールはライン間に位置し、味方のサポートに回った。サイドのフェルラン・メンディやダニエル・カルバハルが突破した際には、ロドリゴやV・ジュニオールらのようにボックス内中央へ入るのではなく、ボールホルダーのマイナス方向に動くなど、変化も加えている。

 しかし、やはり味方との連係に関しての完成度はあまり高いとは言えなかった。何度かベンゼマの動きに対し効果的なパスを送り込んだが、全体的に攻撃を加速させるようなアクションやパスは少なかったと言える。

 また、前に出てくるモドリッチやクロースといった選手と瞬間的にポジションが被ってしまい、攻撃が曖昧になる場面もちらほら。押し込んでいる状況だと役割が重なってしまうこともあったので、時間帯によってはほとんど良さが出ないことも少なくなかった。

 ウーデゴールはこの日、70分までプレーしたが、シュート数、キーパス数ともに0本に終わった。チームとともに、スタートダッシュ成功とはならなかった。

 ただ、今後も起用される機会はあるだろう。4-2-3-1ならトップ下、4-3-3ならウイングもインサイドハーフでも考えられる。マドリーで生き残るには、何よりも結果が大事。早めにインパクトを残したい。

(文:小澤祐作)

【了】

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