OG献上も…冨安健洋はよく戦った。戦犯扱いは出来ない、サッスオーロ戦で課された高難度のミッション

セリエA第4節、ボローニャ対サッスオーロが18日に行われ、3-4でアウェイチームが勝利している。日本代表DFの冨安健洋はこの日も先発フル出場を果たしたが、オウンゴールを献上したりと少し苦い内容となってしまった。それでも、全体的に見れば冨安は決して責められるべきではない。(文:小澤祐作)

2020年10月19日(Mon)11時28分配信

text by 小澤祐作 photo Getty Images
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後味の悪い逆転負け

冨安健洋
【写真:Getty Images】

 前節のベネベント戦同様、シニシャ・ミハイロビッチ監督率いるボローニャは“勝つべき”ゲームを落としてしまったと言える。

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 この日も試合への入り方は悪くなかった。9分にはダイレクトパスを織り交ぜながら右サイドを崩し、最後は中央へ飛び込んだロベルト・ソリアーノがプッシュ。良い形で先制点を奪っている。

 その9分後にドメニコ・ベラルディに同点弾を奪われたが、ボローニャはそこでリズムを崩すことなくサッスオーロに対応。39分には高い位置からのプレスがハマり、最後はマティアス・スバンベリが冷静にゴールを決めている。もちろんサッスオーロに攻められる時間帯もあったが、ウカシュ・スコルプスキのセーブなどもあって2-1で前半を終えることができた。

 後半立ち上がりもペースはボローニャに傾いていた。そして60分、リッカルド・オルソリーニが高い位置でボールを奪うと、ドリブルで運びそのままシュート。これがDFに当たり、ゴールへ吸い込まれた。良い守備から手数をかけない攻撃への移行。チームとしての狙いがしっかりとハマっていた。

 その直後、ロベルト・デ・ゼルビ監督はカーン・アイハン、ジャコモ・ラスパドーリ、マクシム・ロペスの3枚替えを行ってきた。そして、結果的にはこれが試合の運命を大きく分けることになった。

 サッスオーロは交代直後の64分にフィリップ・ジュリチッチが得点。これで完全に勢いに乗ると、70分にコーナーキックからフランチェスコ・カプート、そして78分にオウンゴールを誘発し一気にボローニャをスコアで上回ったのである。

 ボローニャは高い攻撃力を誇るサッスオーロを止めることができなかった。前節は少ないチャンスをモノにされ負け、そして今回は2点リードを奪いながら逆転と、なんとも後味の悪い連敗となってしまった。

責められるべきではない冨安のOG

 さて、日本代表の一員としてカメルーン代表戦とコートジボワール代表戦に出場し、チームに戻ってきたばかりの冨安健洋はこのサッスオーロ戦でも先発入り。いつも通りツーセンターバックの左に配置された。

 チーム全体同様、冨安も落ち着いて試合に入っていた。ビルドアップは左右両足の精度が高く、普段通り安心して見ていられる。少し心配になるような不用意な飛び出しや軽い対応もなく、集中力も高い状態を維持していた。

 この日の冨安のミッションは非常に難しかったと言える。対峙するのは昨季セリエAで21得点をマークしたベテランFWカプートで、流れの中ではトップ下に入ったセルビア代表のジュリチッチ、そしてサイドに流れた際にはサッスオーロの絶対的エースであるベラルディに対応しなければならない。しかも彼らはかなり流動的。一瞬でも気を緩めればゲームオーバーだった。

 それでも冨安は与えられた仕事をしっかりこなす。14分にはペナルティーエリア内に侵入してきたジュリチッチに対応。相手はテクニカルなプレーを披露してきたが、冨安は簡単に足を出さず先に身体を入れてカット。ピンチを防ぐとレナト・ダッラーラに足を運んだサポーターから大きな拍手が沸き起こった。

 ただ、後半は厳しかった。64分の失点シーンではロレンツォ・デ・シルベストリが負傷で外に出ていたため冨安は右に流れていたが、そのエリアを突かれ、最後はうまくマークをかわしたジュリチッチが得点。スピーディーな展開の中、冨安は最後まで相手の背番号10に付いて行けなかった。

 そして、決勝点となったオウンゴールを献上したのも冨安だった。しかし、このシーンについては決して責められない。軽率な対応ではなく、むしろ懸命にカバーに入っていたからだ。これで戦犯扱いされることはないだろう。

 先述した通りカプート、ジュリチッチ、ベラルディという曲者に対応しなければならない。そしてボローニャ左サイドバックのアーロン・ヒッキーは18歳と戦術的にまだまだ未熟で、そのカバーも任務の一つ。さらにボローニャは高い位置からのプレスが剥がされるとDFラインの負担がかなり大きくなる。そんな状況の中、冨安はよく戦ったと言えるだろう。

 もちろん、4失点しているので冨安にまったくの責任がないというわけではない。2失点目はマークを剥がされているし、オウンゴールも献上している。

 ただ、個人を責めるのもまた違う。この日は個人よりもチームとしての課題が浮き彫りとなったのは明らか。高い位置からのプレスを外された際のリスクカバーなど、修正するべき点は多い。サッスオーロは確かに強いチームで攻撃力も高いが、ボローニャはこうしたチームから勝ち点を奪えなければ、上位には食い込めない。

(文:小澤祐作)

【了】

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