ポジショナルプレーとは何か? Jリーグの知将が語る現代サッカーの神髄【ポジショナルプレー~指導法~・前編】

ゴールからの逆算、すなわち「良い立ち位置」を追い求め続けた監督時代の6年間を時系列で振り返りながら、来季からレノファ山口の指揮官として現場に帰ってくる「知将」の戦術指導ノウハウをあますところなく公開した渡邉晋氏初の著書『ポジショナルフットボール実践論』から、「ポジショナルプレー」とは何か? に迫った「渡邉式ポジショナルプレー~指導法~」を一部抜粋して前後編で公開する。今回は前編。(文:渡邉晋)

2020年12月31日(Thu)15時00分配信

text by 渡邉晋 photo Getty Images
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「相手2人以上を困らせよう」

渡邉晋
【写真:Getty Images】

 巷で『ポジショナルプレー』と呼ばれているものについて、私の解釈を述べさせてもらうとすれば、それは『スペースを支配する』ということだと考えています。そして、攻撃において『スペースを支配する』ために絶対的に必要になってくるのが《良い立ち位置を取る》ということです。

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 どのように相手ゴールに迫るのかを考えたとき、《良い立ち位置》は必要不可欠です。それは個人レベルの《良い立ち位置》だけではなく、視野を広げて11人のチームに照らし合わせたとき、チーム全体の利益を踏まえた上での《良い立ち位置》であり、それを取り続けることで『スペースを支配する』ことを『ポジショナルプレー』と呼ぶのではないかと考えています。

 では、《良い立ち位置》とは具体的に何を示すのか。私は特に攻撃の大前提として、「相手2人以上を困らせよう」と選手に伝えてきました。1人の立ち位置で、相手2人を困らせる。あるいは3人、4人を困らせる。そういう立ち位置を取りましょうと。

「相手2人を困らせる立ち位置を取る」

 最終ラインを破るシーンを例にあげます。相手DFの中間に立ち、そこから相手の背後へ飛び出して行く方向が良ければ、相手DFはどちらが付くべきか迷い、同時に2人が困ることになります。1人に対して2人が困れば、ほかの場所が空くわけですから、個人がその立ち位置を意識して取れば、間違いなくチームの利益になります。

 逆に立ち位置によっては、「そこで受けられても別に怖くない」といった相手DFがまったく困らないケースもあります。自分がボールを受けやすくても、相手が困らなければチームの利益にならず、それは《良い立ち位置》とは言えません。

 最終目標は相手ゴールに迫り、得点を奪うことです。私はそのための作業として、「相手2人を困らせる立ち位置を取る」という原則を元にこの戦術を落とし込んできました。

(文:渡邉晋)

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『ポジショナルフットボール実践論 すべては「相手を困らせる立ち位置」を取ることから始まる』


定価:本体1700円+税

<書籍概要>
渡邉晋は《切る》《留める》《解放》など独自の言語を用い、ベガルタ仙台に「クレバーフットボール」を落とし込んだ。実は選手を指導する際、いわゆる『ポジショナルプレー』というカタカナ言葉は一切使っていない。
にもかかわらず、結果的にあのペップ・グアルディオラの志向と同じような「スペースの支配」という攻撃的なマインドを杜の都に浸透させた。フットボールのすべては「相手を困らせる立ち位置」を取ることから始まる――。
ゴールからの逆算、すなわち「良い立ち位置」を追い求め続けた監督時代の6年間を時系列で振り返りながら、いまだ仙台サポーターから絶大な支持を得る「知将」の戦術指導ノウハウをあますところなく公開する。

詳細はこちらから

【了】

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