アーセナル、後半戦の反撃は可能! 脅威の4試合連続無失点、堅守を司るキーマンは?【分析コラム】

プレミアリーグ第18節、アーセナル対クリスタル・パレスが現地時間14日に行われ、0-0の引き分けに終わった。アーセナルのリーグ戦での連勝は3でストップしたが、今季6度目のクリーンシートを達成。巻き返しを図る後半戦に向けて、アーセナルには堅守という武器が備わっている。(文:加藤健一)

2021年01月15日(Fri)10時43分配信

text by 加藤健一 photo Getty Images
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アーセナルは連勝ストップ

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【写真:Getty Images】

 アーセナルの公式戦での連勝は4でストップ。クリスタル・パレスを相手に90分でゴールを奪うことができなかった。

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 9日のFAカップでは120分に及ぶ戦いを制している。ニューカッスルを相手に90分でゴールを決められなかったが、延長戦で2得点。途中出場のエミール・スミス=ロウ、キャプテンのピエール=エメリク・オーバメヤンのゴールで振り切った。

 ターンオーバーを敷いたFAカップが延長戦までもつれ込んだことで、途中出場のブカヨ・サカやスミス=ロウのプレー時間が長くなってしまった。さらに、年末から連戦が続いていたキーラン・ティアニーとパブロ・マリにはクリスタル・パレス戦で休養が与えられている。ティアニーは軽い負傷をしていたとのことだった。

 クリスタル・パレス戦、アーセナルのボール保持率は67.3%と大きく上回りながら、シュート本数は相手より1本少ない11本に留まった。アーセナルは多くの時間を敵陣で過ごしたが、ファイナルサードでのクオリティを欠いた。

 アーセナルはティアニーの不在が響いていた。左サイドバックで起用されたエインズリー・メイトランド=ナイルズは攻撃面で存在感を示せず、64分にピッチを後にした。アタッキングサードまでボールを運べ、ウェストブロム戦のようにフィニッシュのクオリティまで見せたティアニーとの差は明白だった。

 そのメイトランド=ナイルズに替えてニコラ・ペペを入れ、サカを左サイドバックに移したが、どちらもうまくいかず。アーセナルは交代策で流れを引き寄せられなかった。

安定感があった両軍のディフェンス

「私はすべてに満足している。ディフェンスは全体的に良かった」。ロイ・ホジソン監督が試合後に振り返った通り、クリスタル・パレスの守備は安定していた。昨年12月にリバプール戦とアストン・ヴィラ戦の2試合で10失点を喫したが、2試合連続でクリーンシートを達成。73歳の老将の下、守備陣が優れたパフォーマンスを見せていた。

 クリスタル・パレスの攻撃はカウンターが主体だった。2トップのウィルフレッド・ザハとクリスティアン・ベンテケに加え、左サイドのエベレチ・エゼが躍動している。

 39分にはエゼのFKをジェームズ・トムキンズが頭で合わせたが、シュートはクロスバーに直撃。42分のベンテケのヘディングシュートはGKベルント・レノのファインセーブに阻まれた。

 レノを中心とした守備陣には安定感があった。センターバックのロブ・ホールディングは2024年までの契約延長が発表されたばかり。落ち着いたプレーで相手のカウンターを封じ、ミケル・アルテタ監督からの信頼にこの日も応えている。

 さらに、グラニト・ジャカのパフォーマンスも傑出だった。サイドバックを高い位置に押し上げて最終ラインからパスを配球し、カウンターを受けた際は絶妙な間合いでボールを刈り取った。データサイト『WhoScored.com』の集計によれば、6回のタックル、97本のパス、8本のロングパスを成功させている。そのいずれも、両チーム最多の数字だった。

 アーセナルは公式戦4試合連続でクリーンシートを達成。リーグ戦のクリーンシートはこれが6度目で、チェルシー戦の終盤以来、400分近くゴールを許していない。レノやホールディング、ジャカといった守備のキーマンたちを軸としたディフェンスは、アーセナルの武器になっている。

アーセナルが巻き返す可能性

 アーセナルの課題はまだ多い。チェルシー戦やウェストブロム戦のように複数得点をマークしたかと思えば、ゴールがぱったり止まることもある。この試合でも勝ち点3を得ることができず、ホームでは直近7試合でわずか1勝と苦しんでいる。

 プレミアリーグでは18試合を終え、勝ち点24で暫定11位。ただ、混戦のプレミアリーグとあって4位との差は8ポイント。まだ十分に巻き返しは可能なところにつけている。

 連勝は止まったが、ポジティブなニュースも多い。昨年末に新型コロナウイルスの陽性反応が出たガブリエウ・マガリャンイスはリーグ戦で5試合ぶりにベンチ入り。負傷していたトーマス・パルティはこの試合で復帰を果たした。パルティは20分強の出場で4度のタックルを成功。能力の高さを見せつけている。

 ニューカッスル戦のウォーミングアップ中に負傷したガブリエウ・マルティネッリはベンチを外れたが、幸いにも軽傷だという。昨年12月に復帰したカラム・チェンバースもリーグ戦では今季はじめてベンチに入り。後半戦の巻き返しに向け、役者は揃いつつある。

 ディフェンスの整備はチームに安定をもたらす。昨季は3バックへの変更が復調へとつながったが、今季は4バックへのシフトが守備の安定につながっている。リーグ戦はまだ20試合を残している。アーセナルが巻き返す可能性はまだ十分に残されている。

(文:加藤健一)

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感染症を抑えながら経済を回す。世界は今、そんな無理難題に挑んでいる。
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そういった意味ではベンゲルが作り上げたアーセナルと今の世界は大いにリンクする。
ベンゲルが落とし込んだ理想にしどろもどろする今のアーセナルは、大袈裟に言えば社会の鏡のような気がしてならない。
だからこそ今、皮肉でもなんでもなく、ベンゲルの亡霊に苛まれてみるのも悪くない。
そして、アーセナルの未来を託されたミケル・アルテタは、ベンゲルの亡霊より遥かに大きなアーセナル信仰に対峙しなければならない。
ジョゼップ・グアルディオラの薫陶を受けたアーセナルに所縁のあるバスク人は、それこそ世界的信仰を直視するのか、それとも無視するのか。

“新アーセナル様式”の今後を追う。

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【了】

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