マンUが強い! 指揮官が「悪夢のような存在」と評価した男、3得点に共通したものとは?【分析コラム】

プレミアリーグ第32節、マンチェスター・ユナイテッド対バーンリーが現地時間18日に行われ、3-1でホームチームが勝利している。ユナイテッドはこれでリーグ戦5連勝。なぜこんなに強いのか。(文:小澤祐作)

2021年04月19日(Mon)11時48分配信

シリーズ:分析コラム
text by 小澤祐作 photo Getty Images
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プレミアリーグ第32節、マンチェスター・ユナイテッド対バーンリーが現地時間18日に行われ、3-1でホームチームが勝利している。ユナイテッドはこれでリーグ戦5連勝。なぜこんなに強いのか。(文:小澤祐作)

昨季はなかった「今日のような勝ち方」

マンチェスター・ユナイテッド
【写真:Getty Images】

 プレミアリーグではマンチェスター・シティの独走ぶりが目立っているが、同都市クラブ、マンチェスター・ユナイテッドの勢いも凄まじいものがある。リーグ戦では1月27日シェフィールド・ユナイテッド戦以来負けなしで、その間に複数失点を喫したのはエバートン戦(3-3)のわずか1回。第31節トッテナム戦終了時点で4連勝中と、安定して勝ち点を取り続けている。

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 なぜユナイテッドはここまで強いのか。その理由は、第32節バーンリー戦の90分間に詰まっていたようにも感じる。

 残留争いにもがくバーンリーの戦い方はシンプルかつ徹底されていた。ボールを奪えば、迷わず長身FWクリス・ウッドにボールを入れてくる。オフサイドになったとはいえ、ユナイテッドは立ち上がりにこの形からゴールネットを揺らされている。その後も何度かウッドを中心とした攻めに手を焼いた。

 決してユナイテッドの日ではなかった。48分に先制するが、そのわずか2分後にコーナーキックから失点している。どうしても流れを掴めず、ズルズルと時間を費やすチームは珍しくない。近年のユナイテッドがまさにそうだった。

 ただ、この日のユナイテッドはそうはならず、終盤に2点を追加して3-1で勝ち点3を積み上げた。試合後、オーレ・グンナー・スールシャール監督は「今日のような形で勝てるのは嬉しい。昨季は今日のような勝ち方ができなかった。これはトレーニンググラウンドでの努力、そして選手たちの姿勢があってこそのこと」とバーンリー戦を振り返っている。

「昨季は今日のような勝ち方ができなかった」という指揮官の言葉こそが、今のユナイテッドの強さと成長ぶりを証明していると言えるだろう。力の劣るチームに対し勝ち点を取りこぼすことが少ないというのは、上位を狙うチームにとっては何もよりも重要なことである。

 また、スールシャール監督の采配も光っている。後半頭からフレッジを下げてエディンソン・カバーニを投入し、84分にはドニー・ファン・デ・ベークを起用。そしてその二人が、終盤に決定的な仕事を果たした。

 ノルウェー人指揮官は相手を完璧に封じ込めたり、試合中に何かを大きく修正して立て直す戦術家タイプではないが、選手の特長を理解して使う上手さは抜群で、不調な選手も決して端っこに追いやったりはしない。事実、メイソン・グリーンウッドはここに来て復調しており、ファン・デ・ベークは未だ出場時間が短いが、当初と比較するとフィットしてきた印象を受ける。

 個々を縛り付けるようなタスクもないので、選手はストレスなくプレーできている。実際に、スールシャール監督に対する選手からの不満は聞こえてこない。悪い言い方をすれば選手の調子次第で結果が分かれるということになるが、反対に勢いがある限り敗戦が続く可能性は低くなる。このあたりもユナイテッドの好調ぶりを証明していると言えるだろう。

3得点に共通したもの

 ユナイテッドの苦手分野は引いた相手に対する崩し方で、実際過去に何度もその形で苦戦を強いられている。

 この日の相手であるバーンリーも自陣深くに多くの人数をかけていた。中央に人が密集しており、サイドはある程度空けても良い。この形を徹底している。

 そのバーンリーに対し、ユナイテッドは前半からある狙いを持っていた。それは、大きく左右へボールを散らしてバーンリー守備陣をスライドさせること。非常にシンプルだが、ショーン・ダイチ監督率いるチームに対してはこれが最も効果的な攻め方だった。

 実際、ユナイテッドが奪った3得点はほぼ同じ形から生まれている。

 1点目は左サイドを抜け出したマーカス・ラッシュフォードのクロスを反対サイドのグリーンウッドが押し込んでいる。バーンリー守備陣2人が中央のブルーノ・フェルナンデスに寄せたことで右サイドの背番号11がフリーとなっていた。

 2点目はポール・ポグバが右サイドのグリーンウッドへ大きく展開したことで相手のスライドがワンテンポ遅れ、グリーンウッドが余裕を持って1対1を挑めた。そしてカットインし左足で豪快にシュートを流し込んでいる。スールシャール監督は試合後に同選手を「両足を使えるのだから、守る方からすれば悪夢のような存在」と評価した。

 3点目の起点はカウンターで、一度ボールは右サイドへ。しかしそこから再び中央→左サイドへパスを移動させたことでバーンリー守備陣を揺さぶり、最後はアシストしたファン・デ・ベークもシュートを決めたカバーニもフリーとなる状態が生まれていた。

 ボールを右から左、あるいは左から右に動かせば相手選手の目線が変わり、さらにバーンリーはもともと中央に意識を向けているので、その分サイドの選手へのアプローチは遅れる。そうすれば受け手はルックアップした状態で1対1を仕掛けられる。2点目のシーンはその典型と言えるだろう。

 ユナイテッドはこれでリーグ戦5連勝。ここからリーズ・ユナイテッド、リバプール、アストン・ヴィラ、レスターという曲者軍団との対戦が続く。

(文:小澤祐作)

【動画】マンUが強い! グリーンウッド2発などで5連勝! マンチェスター・ユナイテッド対バーンリー ハイライト

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【了】

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