「ジェラード監督」はどんな戦術を持つのか? 新世代の名将候補を分析する【新世代名将図鑑・ジェラードの章 前編】

2021年05月22日(Sat)10時00分配信

text by 結城康平 photo Getty Images
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レンジャーズを今季リーグ戦無敗優勝に導き、名将として名を馳せていくことを期待されるジェラード監督。5月17日発売『フットボール新世代名将図鑑』から、リヴァプールの価値観を知るリーダーオブリーダー「スティーヴン・ジェラード」の章を一部抜粋して前後編で公開する。今回は前編。(文:結城康平)

レンジャーズを悲願の優勝に導いた戦術とは?

スティーブン・ジェラード
【写真:Getty Images】

 引退すると、2017年にリヴァプールのアカデミーコーチに就任。2017/18シーズンからは、U-18の監督を務めた。そして、2018年にはスコットランドの古豪レンジャーズの監督に就任する。リヴァプールとも共通点が多く、労働者階級のサポーターが多い古豪として知られるレンジャーズは、近年最大のライバルであるセルティックの後塵を拝してきた。

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 成功するセルティックを眺めながら、臥薪嘗胆の思いで地道な強化を続けた名門に、ジェラードの就任は最高の起爆剤となる。就任後には12試合無敗という順調なスタートを切り、ヨーロッパリーグに参加する権利を獲得。さらにセルティックを率いていた恩師ロジャースを破るなど、ダービーでも結果を残した。2020/21シーズンで悲願の優勝を掴んだように、ジェラードの監督としてのキャリアは成功に彩られている。

 ジェラードが監督として好んでいるのは、4バックだ。基本的には後方は4バックで、パターンとしては[4-2-3-1]と[4-3-3]を併用する。特に両翼にはテクニックに優れた選手を置き、SBは高い位置までオーバーラップを仕掛けていく。

 特に緻密に整理されているのが、右サイドからの仕掛けだ。レンジャーズで200試合以上に出場する右SBジェームズ・タヴェルニエが積極的にオーバーラップし、右WGはそれに合わせてインサイドに入っていく。このポジションには最近、ルーマニア代表のヤニス・ハジが起用されることが多い。偉大なる父親を持つ若きテクニシャンは、エリア内に侵入しながらゴールを狙うプレーも得意技だ。

 ニアのスペースをハジが担当し、CHが右のハーフスペースにオーバーラップ。この連動によって、中央の枚数を増やすのがジェラードの狙いだ。右のCHにはフィンランド代表のグレン・カマラが起用されることが多く、攻守のサポートを意識しながら前線に上がっていく。

 そして、逆サイド側のCHは積極的にエリアに侵入。スコット・アーフィールドは4ゴール、ジョー・アリボは6ゴールを決めており、彼らのような選手を起用することでジェラードは攻撃力を倍増させている。

(文:結城康平)


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