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EURO2020 3年前

スペイン代表は何に苦しんだのか? アクシデントをカバーする苦肉の策、無得点に終わった理由は…【ユーロ2020分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 加藤健一 photo by Getty Images

スペイン代表の伝統



 全勝で優勝した2008年のユーロは例外として、スペイン代表はスロースターターだ。2010年のワールドカップは初戦でスイス代表に敗れたが、そこからわずか1失点で優勝。2012年のユーロでも初戦のイタリア代表戦はドローだったが、そこから無失点で決勝に進み、イタリア代表を4-0で撃破して連覇を果たした。

 2014年のワールドカップでも初戦でオランダ代表に1-5と惨敗。しかし、次戦でチリ代表にも敗れ、1勝2敗でグループステージ敗退となった。ポルトガル代表との初戦で勝ち点1を分け合った2018年のワールドカップでも、ロシア代表に敗れてラウンド16敗退。良くも悪くもスロースターターで、エンジンがかからないまま大会から姿を消すこともある。

 準備時間の短さがこの試合に影響したのであれば、スペイン代表は試合を経るごとに成熟していくはずだ。パフォーマンスを上げていけば、決勝トーナメントにピークを持っていくことはできる。しかし、歴史を振り返ればこのまま大会が終わってしまう可能性もある。

 今回のスペイン代表どちらになるか、初戦だけではそれを判断することはできない。1週間も経てば答えと思しきものが出ているだろう。

(文:加藤健一)

【了】

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