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東京五輪 3年前

U-24韓国代表、実はピンチ? じっくり温水に浸かり一気に熱湯へ、ワンサイドゲームに潜む危険性とは【分析コラム/東京五輪男子サッカー】

シリーズ:分析コラム text by 本田千尋 photo by Getty Images

温水から一気に熱湯へ?



 それの何が問題なのかというと、“強度”の違いである。グループAのU-24フランス代表戦やU-24日本代表戦で示したように、U-24メキシコ代表の攻守の切り替えは迅速で、プレッシングも激しく、高い位置でボールを奪い返しに来るインテンシティの高さは折り紙付き。その“強度”は、韓国が6-0で粉砕したU-24ホンジュラス代表のそれとは比べるべくもない。

 もちろんグループ突破が掛かったホンジュラス戦が、何のプレッシャーもないぬるま湯だったわけではない。しかし、点差が開いていくにつれて、一人少なくなったU-24ホンジュラス代表の守備組織が崩壊していったのも事実。その様子は、U-24メキシコ代表の守備に比べると、かなり見劣りがしたと言わざるを得ない。

 グループ最終戦で大勝したU-24韓国代表が勢いに乗ることは大いに予想されるが、勢いに乗るがゆえに、準々決勝では“メキシコの強度”に面食らい、苦戦することにも繋がるのではないか。じっくりと温水に浸かった後に、勢いよく熱湯に飛び込むようなものである。ワンサイドゲームは、“良薬”になるどころか、苦い結果をもたらす可能性もあるのだ。

 そういった意味では、U-24日本代表がグループリーグの段階で“メキシコの強度”を体感できたことは、後になって大きな意味を持つのかもしれない。

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