マンU最大の敗因は退場でもパスミスでもない。大型補強だけでタイトルは獲れない。不足しているのは…【欧州CL分析コラム】

2021年09月15日(Wed)12時45分配信

シリーズ:分析コラム
text by 本田千尋 photo Getty Images
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最大の敗因は…



 もちろん結果論になってしまうが、その2つの要素を敗因として考えることはできるだろう。サッカーの試合には“流れ”と、そこから生じる“運”または“不運”という人知を超えたものが存在するし、何らかのアクシデントも付き物だ。

 また、5枚で引いてカウンターという形は、そもそもリーグ戦でやり慣れていないスタイル。1人少なくなったからと言って、弱気になってしまっては、かえってアンダードッグの“下克上心”に火をつけてしまったようだ。

 しかし最大の敗因は、ヤング・ボーイズが見せたサッカーのスタイルにあったのではないか。敵将のデイヴィッド・ワグナー監督は、ユルゲン・クロップの影響が色濃いソリッドなサッカーを披露。元アメリカ代表の指揮官は選手時代、現リバプールの監督とマインツでチームメイト同士だった。指導者となってからは11年7月から15年10月まで、当時トップチームの監督だったクロップの縁でドルトムントのセカンドチームを率いていた。両者は20年以上の付き合いになるという。

[4-1-4-1]で強度の高いブロックを構築したヤング・ボーイズは、マンUのビルドアップに対して整備された連動したプレスを掛け、ボールを奪ってからの攻撃もスムーズで、チーム全体で攻守のイメージがしっかりと共有されていた。[4-1-4-1]だけでなく[5-4-1]も使いこなすクロップ流のソリッドなサッカーを相手に、マンUはテンポを速くしてパスを回すことはできなかった。

 もちろんテンポの速いパス交換が実現できなかったのは、この試合で先発したファン・デ・ベークが未だにフィットしていないという側面もある。ただ、この強固な守備組織があったからこそ、ワン=ビサカのレッドを招いたとも言えるだろう。そして10人になり、不慣れなカウンター型を敷いたことで、ヤング・ボーイズのインテンシティの高いサッカーに力負けすることになった。

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