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マンUはなぜ屈辱的な0点敗戦に終わったのか。結局は変わらぬ課題、“悪さ“が全て出た90分【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 小澤祐作 photo by Getty Images

19歳のFWは「姿勢」こそ良いのだが…



 今季プレミアリーグで開幕3試合連続ゴールを記録するなど好調のメイソン・グリーンウッドは、アストン・ヴィラ戦でもキレの良いプレーを連発した。スタートポジションである右サイドだけでなく、ゲームの中では左サイドにも流れるなど柔軟な動きで相手に的を絞らせていない。シュート数8本とドリブル成功数5回はともにこの試合におけるトップの数字となっているなど、個の力があることを改めて証明していた。

 しかし、結果を求め過ぎたゆえに周りが見えなくなっていた印象は否めなかった。ボールを持つと必ず仕掛け、味方がフリーになっているにも関わらず、強引にシュートへ持ち込む場面が散見。計8本のシュートのうち、半分となる4本は相手のブロックに遭っているなど、完全攻略はできていなかった。

 まだ19歳、さらにクリスティアーノ・ロナウドという絶対的な存在がありながら気を使うことなく個人で積極的に結果を求める姿勢は高く評価できるが、やはりそればかりでは本当に怖い存在になることはできない。スールシャール監督が言った「最後の判断」は向上させていく必要があるだろう。

 もちろんグリーンウッドが戦犯というわけではなく、ユナイテッドの個への依存性は今に始まったことではない。アストン・ヴィラ戦では、スールシャール監督率いる“チームの悪さ”がすべて出てしまったと言えるだろう。

(文:小澤祐作)

【了】

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