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リバプールは間違いなく強い。その理由は…。「誰が出ても強い」要因とただ一人の例外は?【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 安洋一郎 photo by Getty Images

一部主力が不在でも完成度が高い理由



 今節は前述した通り、アリソンやファビーニョ、チアゴ・アルカンタラ、ハーヴィー・エリオット、カーティス・ジョーンズらが不在という難しいチーム状況だった。

 リバプールは他のプレミアリーグの強豪と比べると決して選手層が厚いチームではない。だが、ユルゲン・クロップ監督の戦術はチーム全体に浸透しており、誰が出場しても強いという完成度の高さが伺えるゲーム内容だった。

 それもそのはず、今節に出場した14人全員が、昨季以前からリバプールに所属している選手だった。これは他のプレミアリーグのクラブではあり得ない、近年選手の入れ替わりが少ないリバプールならではのデータだろう。

 良くも悪くも今夏にイブラヒマ・コナテ以外の補強を行わなかったことが、このような出場結果となっているのだが、選手同士の共通理解は他のどのクラブよりも進んでいる。

 それを象徴するのが後半ロスタイムのアレックス・オックスレイド・チェンバレン、ネコ・ウィリアムズ、ロベルト・フィルミーノと繋いでゴールを奪ったシーンだ。

 チェンバレンとウィリアムズは決して出場機会が多い選手ではない。特にウィリアムズは今節が今季公式戦初出場だった。だが、お互いの共通理解が進んでいることもあり、2人の見事な連係から完璧に右サイドを崩してフィルミーノのゴールをお膳立てした。

 昨季は3人のレギュラークラスのCBが負傷離脱を余儀なくされたことで苦しんだリバプール。だが、今季は二の舞を演じないようにコナテを補強し、各選手の連係も高まって、より完成度の高いチームに成長を遂げている。

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