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リバプールは後悔した。その理由は…。アトレティコに勝利も、「最高のサッカーではなかった」【欧州CL分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 小澤祐作 photo by Getty Images

リバプールが突かれた弱点



 リバプールは20分、セットプレーの流れからアントワーヌ・グリーズマンにゴールを奪われている。決して崩されたわけではなく、アトレティコにとってはこれがファーストチャンスだったから、あまりにも痛すぎる失点だった。

 アトレティコ側にペースが傾きつつある中、グリーズマンにゴールが誕生。当然、会場のボルテージは一気に高まる。明らかに、リバプールには逆風だった。

 攻撃時の狙いはリバプールよりもアトレティコの方が明確だった。ボールを奪ったら迷わず縦へ蹴り込み、グリーズマンとジョアン・フェリックスの走力を活かす。リバプールはボールを保持する時間が長く全体がやや前掛かりになっていたので、これが実に効果的だった。

 その中でクロップ監督率いるチームが突かれた弱点は、守備にやや難のあるトレント・アレクサンダー=アーノルドがいる右サイドだった。事実、データサイト『Who Scored』によるポジショナルレポートを見ても、アトレティコは左サイドからの攻めが全体の42%を占めていることがわかる。

 リバプールにとって痛かったのは、アレクサンダー=アーノルドの守備対応に難があっただけではない。そのサポートに入るインサイドハーフのケイタの強度も不十分だったことである。

 34分、リバプールはついに2失点目を喫するのだが、このシーンではケイタの守備に問題があった。結果的にグリーズマンのゴールをアシストするJ・フェリックスに身体を寄せながらも奪いきれず、簡単にゴール方向への突破を許してしまったのだ。

 このゴールシーン以外にも、ケイタのディフェンス強度に物足りなさを感じることは多々あった。事実、データサイト『Who Scored』によると、同選手の被ドリブル突破数は全体ワーストタイの数字となっているようだ。それもあってか、ケイタは前半のみでファビーニョとの交代を余儀なくされている。

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