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バルセロナ、最悪な低迷の原因は…。監督だけじゃない? 最大の要因、 復活のカギとなるのは…【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 編集部 photo by Getty Images

 

今季低迷した原因は…



 先述した通り今季のバルセロナは、近年で最悪のスタートとなっている。リーグ戦は勝ち切れない試合が続き、チャンピオンズリーグ(CL)では大量失点で2連敗。今夏にリオネル・メッシが退団したことは間違いなく大きな要因だが、最大の要因はどこにあったのか。

 前任監督のロナルド・クーマンは確かに力不足だったが、ここまで低迷した原因はクラブ自体にもあるはずだ。

 これまでカンテラ(下部組織)出身の選手を中心に、華麗なパスワークで世界を魅了したバルセロナだが、ルイス・エンリケの退団以降は徐々に変わっていった。

 カンテラ出身の選手の起用は極端に減り、大金を出して選手を獲得。他のビッグクラブであればそれでチーム立て直すこともできるが、バルセロナは違う。クラブの色に合わなければ、どんなビッグネームであろうと活躍が出来ないのだ。

 ジョゼップ・グアルディオラ時代のような強いチームをさらに強化するのであれば、カンテラの選手ではなく、ビッグネームの獲得という選択肢になるだろう。だが、クラブの立て直しならばカンテラの選手を起用するべきだった。

 アラベス戦を見ても、ガビ、ニコ・ゴンザレス、オスカル・ミンゲサといったカンテラの選手は十分に活躍している。結果論にはなるが、メッシがいる間にもっと積極的にカンテラの選手を起用し、主力になるよう成長させる。それが出来なかったことが、今季低迷したバルセロナ最大の要因と言える。

 クーマン監督の実力不足などもあるが、今季の低迷はここまでクラブ理念を突き通せず、ちぐはぐになったことがメッシの退団を機に全面に現れた結果と言っていいだろう。

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