フットボールチャンネル

なでしこジャパンと対戦、アイスランド女子代表のFIFAランキングは何位? 北欧の“隠れた強豪”はどんなチーム?

text by 編集部 photo by Getty Images

アイスランド女子代表
【写真:Getty Images】



 サッカー日本女子代表(なでしこジャパン)は現地25日に国際親善時試合でアイスランド女子代表と対戦する。

【今シーズンのJリーグはDAZNで!
いつでもどこでも簡単視聴。1ヶ月無料お試し実施中】


 池田太監督にとってはなでしこジャパンの指揮官を任されて初めて迎える国際試合になる。24日に行われたオンライン会見では「私自身も非常に楽しみです」と初陣に向けて気持ちを高ぶらせているようだった。

 では、対戦相手となるアイスランド女子代表世はどんなチームなのだろうか。

 まず女子のFIFAランキングを見てみると、最新版では16位となっている。ヨーロッパでは10番目、北欧諸国だけを見てもアイスランドの上に3ヶ国(スウェーデン、ノルウェー、デンマーク)がいるので目立たないが、最近10年間はほぼ全体20位以内をキープしている“隠れた強豪国”だ。

 アイスランド女子代表のキャプテンを務めるMFグンヒルドゥル・イルサ・ヨンスドッティルは「サッカーに対する姿勢やハードワーク、そして自分たちを信じる強い心」がチームの武器であると述べ、さらに多くの強みがあると続ける。

「個々はそこまでではなくても、チームとして団結した時にこそ化学反応が起きて強みを出せること。非常に優秀な監督が毎試合、試合に向けて準備を整えてくれていて、優れた指導者に恵まれていること。さらに、試合の中で得点するためにそれぞれがすべきこと、しっかり自分の役割を演じること。また、年齢の構成もいいと思います。若手から経験を積んだ選手までバランスが取れたチームです。ハングリー精神のある若手もいますので、そういった選手たちが毎日、切磋琢磨してチームを作り上げています」

 一方、日本目線からもアイスランド女子代表の分析は進んでいる。池田監督は「サイドの選手がフィジカル的に強くてスピードのある選手もいる」と述べ、次のように続けた。

「我々がコンパクトに戦う分、そのコンパクトさと相手の広い展開からのスピードに対するやり合いには気をつけながらも、我々のストロングポイントを生かせればという考えはみんなと共有しています」

 日本は陣形全体をコンパクトに保ち、守備時は前線から激しくプレスをかけてボールを奪いにいくが、アイスランドが得意とする大きな展開で一気に局面を変えられると大ピンチを招きかねない。特にサイド攻撃に強みを持つ相手でもあり、なでしこジャパンは練習でサイドからのクロス対応にも時間を割いてきた。

 DF熊谷紗希は「これまでもですし、今後もでしょうけれど、自分たちがサイドからやられることが多い中で、サイドを崩された時の守備は本当に簡単ではない」と、なでしこジャパンが継続して抱える弱点に言及したうえで、「特にアイスランドはサイドから攻撃してくるという分析もあり、そういったところでいかに守れるかが勝負を決める」と気を引き締めていた。

 さらに、なでしこのディフェンスリーダーは相手のキーマンに「23番」を挙げ、サイド突破からのクロスのみならずセットプレーやロングスローへの警戒を口にしていた。熊谷が背番号で指摘した選手は、20歳の若手FWスベインディス・ジェーン・ヨンスドッティルである。

「23番の選手がほぼ起点になって、サイドからの攻撃、セットプレー、そしてロングスローがアイスランドの特徴だということはチームでも共有していて。ロングスローは右サイドも左サイドもきっとその選手が移動して投げてくると思うので、どういった形で守るか。

そして、フリーマンというか、しっかり相手選手を2人で挟むような形で私たちが配置できるような準備はトレーニングでもやってきました。あとは、ピッチで何が起こるかはピッチの上で判断しなければいけない部分もあるので、そういう準備はチームとしてやりました」

 新体制の初戦で、なでしこジャパンは自分たちよりも完成度の高い相手にどのような戦いを見せてくれるだろうか。アイスランド女子代表は監督も選手も「明日は自分たちのことに集中して、自分たちの試合をしていきたい」と、対日本仕様の戦い方をするつもりはなく、強みを全開に生かしたサッカーをしてくるはずだ。

 近年躍進めざましく、4大会連続での女子欧州選手権出場を決めている北欧の“隠れた強豪”は、決して簡単に倒せる相手ではない。練習を見る限り長身選手も多く、なでしこジャパンは高さの面でも不利な戦いを強いられるだろう。

 池田監督が作るチームの方向性を示すうえでも、極めて重要な一戦は現地25日19時40分(日本時間26日3時40分)キックオフで、BSフジにて生中継も予定されている。

(取材・文:舩木渉)

【了】

KANZENからのお知らせ

scroll top