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ラングニック監督は初陣で何を変えたのか? 強いマンチェスター・ユナイテッドが帰ってくる。そう予感させる理由【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 編集部 photo by Getty Images

大きな変化があった守備



 スールシャール体制下では、前線からのプレスが連動せず、自陣まで引いて守らざるを得ない状況も多かった。

 だが、この試合ではボールを失ったらすぐさまプレス。前線から人数をかけ、すぐにボールを取り返しに行くラングニック監督のゲーゲンプレスがすでに浸透していた。

 基本形は4-2-3-1だが、前線4枚のファーストディフェンスに続いてボランチの1枚が高い位置を取ることで、高い位置でつぶす守備を行っていた。

 しかし、ファーストプレスがC・ロナウドではやはり不十分。そのため、守備時にはマーカス・ラッシュフォードとC・ロナウドがポジションを変え、走力を活かして連続で相手を追いかけることのできるラッシュフォードがファーストディフェンスに出ていた。 

 ボールを奪ってすぐにカウンターを仕掛けるなど、攻守の切り替えも速く、選手の意識には明らかな変化が見て取れた。だが、強度はまだまだ不十分。ラングニック監督が就任して間もないこともあるが、後半にはチーム全体に疲れが見え、ゴール前まで簡単に運ばれる場面もあった。

 それでも、少ない時間でこれだけ選手の意識を変えられるラングニック監督はさすがだ。試合を重ねるごとに、チームの強度はさらに増していくに違いない。

 強いマンチェスター・ユナイテッドが返ってくる。そんな予感を感じる一戦だった。

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